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2007年度IT予算、“守りの投資”で落ち込み
国内企業の売上高に占めるIT予算額の比率は前年度から減少したとITRが発表した。情報セキュリティなどの守りの投資が増え、戦略投資が減ったことが原因という。
アイ・ティ・アール(ITR)は2月12日、日本企業のIT予算に関する2007年度の実績と2008年度の見通しを調べた「IT投資動向調査2008」の結果を発表した。
2007年度の予算実績について「20%以上の増加」と回答した企業は10.9%、「20%未満の増加」は24.0%だった。「横ばい」は49.8%、「20%未満の減少」は12.2%、「20%以上の減少」は3.1%となった。
企業の売上高に占めるIT予算額の比率は2007年度は2.9%で、過去最高を記録した2006年度の3.2%から減少した。戦略投資の比率が減ったのが原因という。
2008年度の予算は「20%以上の増加」と「20%未満の増加」を合わせた企業の割合が増え、2006年度の水準に回復すると見込まれるとITRは予測している。
同社の内山悟志社長は「2007年度のIT戦略は情報セキュリティなどの“守りの投資”が多かった。2008年度は事業活動への貢献や顧客サービス、情報活用度の向上などが重要になる」と分析している。
同調査は2007年9月から11月に実施し、国内企業459社の回答を集めた。
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