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携帯電話で介護記録を入力しリアルタイムで情報共有介護事業者の業務効率向上(2/2 ページ)

特定非営利活動法人「あおば」は、ケアプランを中心にヘルパーのサービス提供記録(トレーサビリティ)を紙ベースからデジタル化し、リアルタイムに関係者が確認できるSaaS形式のシステムを導入した。

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他の事業所の活用も勧め、より良いシステム改善を

 こうした仕組みを一事業所のみで構築しようとすると、莫大なコストがかかるが、Private Stockが構築した仕組みに共用する形で利用すれば、負担は大幅に減少する。

 携帯電話を活用するので、普段PCなどはあまり使わないヘルパーでも、利用しやすいというメリットもある。GPS搭載の携帯電話を利用することにより、指定された介護現場以外で入力した場合でもすぐにその状況を把握できる。

 「管理を強化するという意味ではなく、お互いにはっきりと正確な記録を1つひとつの仕事で残していくことで、より介護を必要とする方々へのサービス向上にもつながると考えています。毎月の訪問先のスケジュールなどもこのシステムから確認でき、便利さは事業所、ヘルパー双方で増しています」と白濱氏は語る。


介護サービス管理システム例

 そしてさらに大きな効果を発揮しているのが、事務作業の軽減だ。このシステムを通して入ってきた、各ヘルパーの業務記録は、あおばの事務所でデータとして抽出されるので、以前に比べて、記録の入力作業も大幅に軽減されたという。

 介護事業において、業務や事務での作業軽減は、最も急がれる分野である。SaaS形式のシステムは活用するユーザーが増えることで、さらにコストが低減できよう。

導入効果を聞く――利用者をもっと広げていきたい

ITmediaヘルパーさんの利用は増えていますか?

白濱 携帯電話は持っているけれど、こうした入力画面は利用したことはないという方もおられます。ただ一度利用を開始すると、その便利さを実感しているようです。入力フォームには、自分で介護を受ける方の様子を自由に入力する部分もあり、メールを書く要領で、的確な記録をしていただいています。

ITmedia事務所でのデータ活用もかなり進んだ?

白濱 これも大きいですね。電子データを蓄積していけるわけですから、紙に書かれた内容を入力し直す必要がありません。スムーズな業務にしていくために、わたしたちも、常に日常業務の見直しをしていますが、これからは、このシステムのさらなる有効活用を念頭に入れた業務改善策を考えていきたいと考えています。

ITmedia SaaS形式ということなので、同業者の方々にも使ってもらうということもありますね。

白濱 わたし達の事業では、便利な仕組みはどんどん他の事業所にも使ってもらい、お互いに発展していくことが最も望ましい形です。実際にいろいろな同業者にも声をかけています。このシステムを共有すれば、ヘルパーさんたちの負担を軽減でき、かつ有効に介護業務を進めることもできます。今後はさらに活用を深めていきたいですね。

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