ERP導入の成功および失敗パターン:中堅中小企業の経営基盤改革術(4/4 ページ)
中堅中小企業ではERPを構成するモジュールを徐々に導入するケースが多い。最初のモジュール導入を「初回導入」、それ以降を「二次導入」とし、さらに導入検討段階、製品選定段階、構築段階、運用段階に分けて考えてみたい。
ERPリプレース
こうした数回の部分導入を経る過程において、失敗を経験したユーザーが抜本的な解決策としてERPリプレースへと踏み切ることになる。これまでの部分導入とは違って全社的な取り組みが求められるため、ERPリプレースの成功・失敗要因はエンタープライズにおけるERP導入に近いものとなる。エンタープライズにおけるERP導入の成功・失敗については既に数多く取り上げられているのでここでは詳しくは述べないが、主要なハードルを以下にピックアップしてみた。
- 導入検討段階
「現状業務及びシステム分析(失敗要因分析)ができているか」「ERPリプレースを推進する責任者に然るべき権限が与えられているか」
- 製品選定段階
「システム刷新だけではなく、業務改革を行う意思を持っているか」
- 構築段階
「利用部門を適宜参画させ、生じる変化について同意を得ているか」
- 運用保守段階
「刷新したシステムの全体像を把握できる人材を自社内に確保しているか」
上記のようなハードルを越えられないと、形の上ではERPリプレースはしたものの利用部門からは支持されない、ベンダー依存度が以前よりもさらに高くなってしまって運用保守コストがさらに上がるといった問題が生じることになる。
上記に挙げたようにERPリプレースのハードルはいずれも高いものであるが、経営者がリーダシップを発揮することによって越えられるものも少なくない。実際、そうやって自社業務を効果的に改善した中堅中小企業の例も出てきている。そうした先進事例が紹介されることによって、中堅中小企業においても戦略的なERP導入が増えてくるのではないかと期待している。
今回は中堅中小企業のERP導入に横たわるさまざまなハードルという観点で整理をしてみた。次回以降ではこうしたハードルを越えたユーザーが実際に実現した業務改善効果について、ケーススタディを通じて見ていくことにする。
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