資生堂がマーケティングシステム刷新 13億件のデータ活用が可能に:オラクル製品で構築
資生堂がマーケティングシステムを全面稼働させた。さまざまな軸でデータの分析ができ、5000ユーザーの活用にも耐えうるシステムとなった。
新日鉄ソリューションズは6月25日、資生堂のマーケティングシステムを構築したと発表した。新システムは、6月から全面稼働を開始している。
資生堂では、業務部門ごとに個別のシステムを構築して、部門のユーザーごとにデータの分析をしてきた。その結果、分析指標の不統一が起こり、データや分析手法などの共有が困難になった。また、サーバの乱立やデータの重複が生じたことで、システム開発の案件が滞留し、システムリソースの使用効率が低下していた。営業担当者から経営トップまでのあらゆる従業員がリアルタイムに市場を分析する必要も出てきた。
事業や組織の見直し、今後発生する組織、商品、商流、物流の変更への早期対応を見越して、これらの問題に柔軟に対応できるシステム作りを進めた。
刷新したマーケティングシステムでは、約10万店の取引先のデータやPOS(販売時点)データを統合し、幅広いユーザーが販売データを分析できるようになった。月次処理を待たずに、ブランドや製品、地域、販売チャネルといった切り口で、売り上げや在庫などをリアルタイムに確認することも可能となった。
システムの構築は新日鉄ソリューションズが担当。組織や商流、商品体系の頻繁な変更にも耐えうる柔軟なアーキテクチャの構築を掲げ、各基幹業務に対応した経営情報の分析ができることを評価し、日本オラクルのアプリケーション製品「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」を採用した。
新日鉄ソリューションズは、200以上の既存システムを新システムに統合し、5000人がデータを活用できるようにした。同システムが抱えるデータの数は約13億件、総容量は24テラバイトに上る。
資生堂は、同システムを国内の化粧品事業以外にも導入するとともに、海外事業での活用も目指す。
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