国内通信事業者のiDC市場規模、2012年は現在の1.7倍に :年間成長率は11.5%
自営サーバルームからiDCへのアウトソースやネット系企業のサーバ増設がけん引し、首都圏や郊外、地方でiDCの需要が堅調が拡大していく。
IDC Japanは8月18日、2007年における国内通信事業者のインターネットデータセンター(iDC)市場規模と、2008年〜2012年までの市場規模予測を発表した。国内通信事業者が提供するiDCサービスの市場規模は、2007年は2979億円に達した。2012年までの年間平均成長率は11.5%で伸び、2012年の市場規模は5125億円になる見込みとした。
国内のデーターセンターの需要は、首都圏に加え、首都圏郊外や地方の中核都市でも拡大している。自社のサーバルームで運用管理している基幹系システムを外部のデータセンターに移設する需要と、ネット系企業を中心とするWebシステムやメールシステムにおけるサーバ増設の需要が市場の拡大をけん引しているとIDCは分析している。
今後はディザスタリカバリ(DR)や事業継続計画(BCP)などへの需要を背景にデータセンターサービスの需要も増える。DR/BCPサービスの導入は、大手金融機関などで進んでいるが、今後は一般サービス、流通業、製造業などの業種や中堅中小企業でも導入の以降が高まるとしている。
IDC Japan、コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの川上晶子氏は「国内通信事業者のiDCサービス市場は、短期的にはDR/BCPの需要に支えられ継続して拡大するものの、中期的には米国経済の減速、国内経済も調整局面に入るなど、ユーザー企業のIT投資の抑制も懸念される。データセンター事業者は、付加価値の高いサービスであるリソース貸しへのシフト、環境対策やコンプライアンスなど法制度に対応した高付加価値/高機能データセンター実現も視野に入れるべきであろう」と発表文内でコメントしている。
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