WindowsでSubversionを使う:TortoiseSVNでバージョン管理:Beginner's Guide(4/4 ページ)
GUIでリポジトリにアクセスできるTortoiseSVNを用いれば、WindowsユーザーでもSubversionによるバージョン管理が簡単に行える。本稿では、TortoiseSVNの導入から基本的な使用方法までを解説する。
他者がリポジトリに加えた修正をローカルのファイルに反映させる
他者がリポジトリに加えた修正をローカルのファイルに反映させるには、「SVN更新」を行う。ショートカットメニューから「SVN更新」を選択すると、サーバに問い合わせが行われ、変更されたファイルの差分が取得されてローカルのファイルが更新される(図13)。
リポジトリにファイルやフォルダを追加する
リポジトリに新たなファイルを追加するには、追加するファイルをローカルで作成した後、追加したいファイルを選択してショートカットメニューから「TortoiseSVN」-「追加」を選択する(図14、15)。「追加」ダイアログが表示され、追加するファイル/フォルダの候補がリスト表示されるので、追加したいファイル/フォルダにチェックを入れて「OK」をクリックすればよい。
ファイルだけでなくフォルダを追加することも可能だ。フォルダを指定すると、自動的にそのフォルダ内のファイルもリポジトリに追加される。なお、「追加」を実行した時点では、ファイルはリポジトリにコピーされない。追加を行った後、コミットを行った時点でファイルがリポジトリにコピーされる。
図15(右) 追加するファイルを確認し、「OK」をクリックする。リポジトリへの実際のファイル転送は、コミット実行のタイミングで行われる
リポジトリ内のファイルやフォルダを削除する
リポジトリ内のファイルやフォルダを削除するには、削除したいファイル/フォルダを選択してショートカットメニューの「TortoiseSVN」-「削除」を選択する(図16)。
このコマンドを実行すると、ローカルのファイルは即座に削除されるが、リポジトリ内のファイルの削除はこの時点では行われない。実際にリポジトリ内のファイルが削除されるのはファイルの追加の場合と同様、コミットの実行時となる。
リポジトリ内のファイルやディレクトリの名前を変更/移動する
リポジトリ内のファイルやディレクトリの名称を変更するには、ファイルを選択してショートカットメニューの「TortoiseSVN」-「名前を変更」を選択すればよい。また、「<移動先ディレクトリの相対パス>\<ファイル名>」などのようにすればファイルを別のディレクトリに移動させることも可能だ(図17、18)。ローカルのファイルは即座にリネームされ、ほかのコマンドと同様、コミット時にリポジトリ内のファイルがリネームされる。
リポジトリにファイルをインポートする
リポジトリに新たにファイルを登録する(インポートする)には、インポートしたいフォルダを選択し、ショートカットメニューから「TortoiseSVN」-「インポート」コマンドを選択する。「インポート」ダイアログが表示されるので、「リポジトリのURL」にファイルのインポート先リポジトリのURLを指定し、「インポートメッセージ」に概要やメモなどを入力して「OK」をクリックすればよい(図19、20)。
なお、Subversionでリポジトリを管理する場合、リポジトリのルートディレクトリ以下に「trunk/」「tags/」「branches/」という3つのディレクトリを作成するのが慣例となっている。trunk/は開発の本流となるファイルを格納するディレクトリだ。また、tags/はtrunk/以下に保存されているファイルのスナップショットを保存しておくディレクトリ、branchesはメインのソースツリーとは異なる更新を加えたい(ブランチを作成する)場合に使用するディレクトリとなる。通常、リポジトリに新しくディレクトリ(およびファイル)を登録する際は、trunk/ディレクトリ以下にサブディレクトリを作成してファイルを登録することになる。
図20(右) インポート先リポジトリのURLを入力し、「OK」をクリックするとインポートが実行される
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