アルテルと住友電工、兵庫県の小学校に緊急時通報システムを試験導入:ボタン1つで一斉同報
兵庫県の川西小学校に、同軸モデムとIPインターフォンを組み合わせた緊急時の通報システムが試験導入された。ボタンを押すだけでだれでも通報ができる。教室間をつなぐインターフォンの役割も果たす。
アルテルと住友商事マシネックスおよび住友電気工業は9月11日、兵庫県の川西市立川西小学校に、校内緊急通報システム「キッズ救急 テレビ端子deネット」を試験導入したと発表した。システムは、住友電気工業が開発し住友商事マシネックスが提供する高速同軸モデム「ACLCシリーズ」を教室内のテレビ端子(同軸ケーブル)に接続し、アルテルのIPインターフォン端末「キッズ救急」をモデムにつないだもの。試験導入の期間は8月28日からの半年間。
川西小学校では、児童数の増加に伴って校舎を増築した。そのため、本校舎と新校舎をつなぐ緊急時の連絡手段を確保するためにキッズ救急 テレビ端子deネットを導入したという。教室に不審者が侵入するなど、非常事態が発生したときに各教室の緊急ボタンを押すと、職員室に設置されたディスプレイに「●年●組で緊急ボタンが押されました」といった緊急情報が表示される。放送設備とも連携しており、校内全体に緊急放送が流れる。
キッズ救急 テレビ端子deネットを導入するため、校内LAN環境と教室間のインターフォン環境を整備した。同軸ケーブルを通信回線として利用し、通信速度は最大200Mbpsとなる。端末とモデムのみ設置し、サーバなどは設置していない。システム構築は1日で完了したという。
普通教室が24室、特別教室(理科室、音楽室など)は4室、そして職員室の計29室に設置し、教室間のインターフォンとしても利用できるため、教員が連絡伝達のために校内を移動する必要がなくなるといったメリットもある。教員が教室に不在の際、教室で問題があった場合には、児童でも簡単に操作できる。また、モデムにはハブ機能を搭載し、教室からのインターネット接続が可能となるため、ICT教育にも役立つという。
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