「クラウドが重要な選択肢のひとつとなる」とロズワット執行副社長:Oracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(2/2 ページ)
Oracle OpenWorld San Francisco 2008の2日目、製品開発全般を統括するロズワット執行副社長が、プレスやブロガー向けのQ&Aセッションに登場し、「クラウドが重要な選択肢のひとつとなる」との見方を示した。
Oracle Database 11g R2のロードマップは?
今後、Oracle Database 11gの製品リリースはどのようになるのだろうか。昨年提供を開始した11g R1は、その実現までに技術面ではじっくりと時間をかけた結果、現状のような機能構成になったのだとロズワット氏は説明する。現在は、マイナーバージョンアップとなる最初のパッチセット、11.1.0.7を提供したところであり、11gに実装した新機能がようやく熟成されてきた状況だ。時期こそ明らかにはしなかったものの、「確実に言えるのは、次のバージョンアップのタイミングが11g R2になる」と明かした。
R2のフォーカスは、グリッドコンピューティングをより簡単に展開できるようにすることだという。Oracle Real Application Clustersをさらに簡単に管理、展開できる機能が追加される。そして、もう1つ力を入れているのが、Diagnotice(診断プログラム)関連の機能だ。顧客がより簡単にシステムを管理、展開できる機能が実装されるという。
このところ、Oracleが重視するのは、顧客の声だ。新しい製品や機能をどのようなタイミングで提供するかはOracleではなく、顧客のニーズ次第なのだという。そういう意味では、フラグシップ製品のOracle Database 11gといえども、そのロードマップは顧客の声次第で流動的なものになると考えられる。
Oracleには、製品の開発方針を決定するための正式なリサーチ組織は存在しない。同社は、数年後に市場に提供されるであろう製品の開発にたくさんの技術者が携わり、彼らがその方向性を決めている。そのため、開発の進め方は、ライバルたちに比べればかなり柔軟なものになっているかもしれない。
「それでも、製品としてまとまりがあり、方向性をきちんと示していけるのは、今も創業者であるラリー(・エリソン)がトップにいることが大きな要因だ」とロズワット氏は話す。
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