マスター統合で広がる顧客獲得の可能性――米Verizon:一元管理の効果
米通信会社Verizonは、顧客のマスターデータを統合するため、米Informaticaが提供するデータ品質管理ソフトウェアを導入した。電話、インターネット、IPテレビという3つのサービスを顧客に提供していく。
米通信会社Verizonは、顧客のマスターデータを統合するため、米Informaticaが提供するデータ品質管理ソフトウェアを導入した。電話、インターネット、IPテレビという3つを「トリプルプレー」として提供する同社は、より多くの顧客に電話とインターネットのように複数のサービスを利用してもらい、顧客ロイヤルティを獲得しようとしている。
米Verizonでデータウェアハウス担当のディレクターを務めるウェス・フローレス氏は「顧客分析を進め、見込み客段階から実際の顧客への追跡管理を強化したかった」と話す。もともとInformaticaのETLツールを利用していた同社は、9月にデータ品質管理のData Quality 8.6をインストールし、ユーザートレーニングを開始した。稼働したのは11月からであるため、まだ導入効果の実績は明確になっていない。
導入の狙いは、例えばアカウント番号が異なるサービスA、Bなどを利用するジョー・スミスという人がいた場合、同一人物として統合的に管理できるようにすること。同様に、スミス氏が追加注文しているサービスCも、サービスに関する問題の履歴などもCDI(顧客データ統合)ハブを介して一元管理する。
導入前に一番問題だったことは「顧客の動きに関するレポートをタイムリーに参照できないこと」だった。3つのサービスのうち、2つ以上を利用するダブルプレー、3つを利用するトリプルプレーといったユーザーの方が離反が少ないため、できるだけ複数のサービスを利用してもらえるようにマーケティングを展開する必要があるという。複数サービスの利用による割引も顧客囲い込みの有効な手段であるため、重要な分析ポイントにしている。
「今後は統合した顧客データを利用して、メールマーケティングなどのキャンペーンマネジメントを実施したい」(フローレス氏)
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