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クラウドによるデータ集中と、その危険性を考えるネットの逆流(7)(2/2 ページ)

インターネット経由でソフトウェアやサービスを利用するクラウドコンピューティングが注目されるが、リスクも大きい。クラウド側にシステム障害が起きた際に、ユーザーはただ復旧を待つしかないのである。

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信頼がカギになる

 「クラウド側」であるデータセンターでは、常駐の監視を行い、不測の事態に備えている。それでもトラブルは防げないこともある。大地震などの自然災害の発生した場合どうするのか。データセンターは、耐震性に優れた場所に設置されている場合が多いが、中には海外も含めてデータセンターを分散させ、いざという時に備えているところもある。企業のWebサイトが閲覧できなくなる、利用できなくなると、それがたとえ短時間であっても、ビジネスチャンスを逃すことになる。

 しかし、こうした議論は昔からされていた。そのため、オラクルのラリー・エリソンCEOが非難したように、「クラウドコンピューティング」という言葉を使うこと自体に懐疑的な意見も出てくるのだ。一方で、「最終的にソフトウェアはすべてクラウドの方向に向かう」と話すのは、クラウドによるソフトウェア提供大手、米NetSuiteのザック・ネルソンCEOだ。

 ネルソンCEOは、今後注目されていくのは、その企業が信頼できるかどうかといった視点であるとも指摘している。個人にしろ、企業にしろ、クラウドを利用するにあたって「信用」が重要になってくる。障害が発生した場合の対応、補償などが明確でなければ、ユーザーは自社のサービス運営を任せられなくなる。

 これらのリスクも承知の上で、何をクラウド化し、どこまでを自社で管理するのか。その先には、自社のサービスや商品を利用するユーザーがいることを忘れてはならない。米Websenseの予測の筆頭にあげられているが、企業やユーザーにとって便利なクラウドは、サイバー犯罪者やスパマーにとっても魅力的なターゲットになり得る。いかに信頼し、活用していけるのかが、企業でのクラウド導入のカギとなるだろう。

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