ゆとりフォーム、「Salesforce CRM」導入でチラシ配布の販促費用を30%削減:営業体制も刷新
バージョンアップによる機能拡張や独自のカスタマイズに対応できるというSaaSのメリットを活用したCRMをゆとりフォームが導入。販売促進の費用を30%減らすとともに、営業体制の刷新にも寄与した。
住宅リフォーム事業を展開するゆとりフォームは、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)型のCRM(顧客関係管理)サービスを導入し、営業活動の販売促進費用の削減に成功した。サービスを提供したセールスフォース・ドットコムが1月21日に発表した。
ゆとりフォームが導入したのは、セールスフォース・ドットコムのCRMサービス「Salesforce CRM」。2008年2月に導入し、6月に稼働を開始した。さまざまな指標に基づいたリポートやダッシュボードを作成でき、営業案件の進ちょく情報を可視化できるようになった。入力業務の軽減にも寄与し、社内での情報共有が進んだ。
導入後は、営業体制をチーム制に移行。進ちょくに応じて担当業務を振り分け、上司が適切な営業活動を指示できるようにした。創業以来、個人の営業活動とチラシによる販売促進を業務の軸に据えていた同社だが、Salesforce CRMの導入により、チラシの配布に掛かる販売促進費用を30%減らせた。
営業体制の刷新にも貢献
同社は首都圏の23店舗で営業活動を展開している。創業当時は、個別の営業とチラシの配布による販売促進が事業の軸だったが、顧客や店舗数の増加に伴い、営業手法の刷新を考えていた。
Salesforce CRMとは別のCRMシステムを導入していたが、独自のカスタマイズができない仕様のため、必要項目を入力できず、リポートを出力するための分析機能も備えていなかった。そのため、従業員がExcelを使ってデータを管理するようになり、入力の重複作業が発生するといった課題が生じていた。
導入の実績やカスタマイズの柔軟性、SaaSによる運用コストの削減などから、複数のCRMを検討。初期費用が低く抑えられること、追加費用なしで年に3回程度の機能拡張をCRMに取り入れられることが採用の決め手になった。
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