シマンテック、統合型エンドポイント管理ソリューションを発表:競争力向上のためのIT管理
シマンテックは26日、クライアントPCやサーバといった企業のシステムネットワークのエンドポイントを管理する製品を発表した。
場当たり的な対応がコスト低減を阻む
今回発表されたのは、Altiris Client Management Suite 7.0(CMS7)および Altiris Server Management Suite 7.0(SMS7)の2つのスイート製品。シマンテックのソリューション&プロダクトマーケティング部 ベイ・キサン プロダクトマーケティングマネージャーは、次のように語る。
「この2製品はSymantec Management Platform上で設計開発されている。このプラットフォームは当社が2007年に買収したAltirisのシステム開発キットを主要なコンソールとしており、米国ではすでにSMS上で動くセキュリティ製品を発表している。日本でも近々同様の製品を提供していく予定だ。例えば、アクティブディレクトリとヘルプデスクとを連携させるツールなどが挙げられる。こうしたツールをオープンな環境でサードパーティーとのコラボレーションによって開発することで、ユーザー企業が将来求める可能性の高い機能拡張に柔軟に対応していく。ユーザー企業にとって、システム上の安全なエンドポイントとはすなわち、適切に管理されたエンドポイントだ。データが増大し、複雑化する一方のシステム基盤をより安全に運用していくには、統合されたエンドポイント管理のソリューションが欠かせない」
また、ベイ氏は多くの日本企業がクライアントPCの管理やサーバのコントロールのために、用途に応じて手動で個々のツールを活用していることを指摘する。
「その場限りの配信とトラブルシューティング、自動化もほとんどされない状況で複数のデータベースとスプレッドシートと格闘しているようでは、企業のITコストの大半を占めるサポートとメンテナンスの分野を圧縮することはできない。現在のような経済環境の中、この分野を圧縮し、逆に競争力を向上させるためのIT投資を進めていくことこそ求められている課題だ」
今回発表された2製品は、適切に管理されたエンドポイントを実現、持続させるための製品というわけだ。
進化したプロセスの自動化
CMS7は進化したプロセスの自動化が主要な新機能だ。これを支えるものとして、インテリジェントなソフトウェア管理が挙げられる。通常、クライアントマネジメントでは、ソフトウェアの配信の設定しても各アプリケーションが持つ依存・競合関係などは無視されることがほとんどだった。そのまま配信すると問題があると事前に分かっている場合だけ、手動で除外し個別にインストール作業をするといったことがあった。しかし、CMS7ではソフトウェアのコンポーネント情報、つまり種類、属性、関係を保持しておき、配信する際、その情報をもとに適切に処理される。
「この情報はソフトウェアそのものではなく、図書館のカード目録のようなものとして扱われる。例えばあるソフトウェアはWindows XPSP2以上でなければ配布できないという場合、その条件を満たしていないクライアントには配信されない。環境に応じて配信するという点で、単なる自動化ツールとは一線を画す機能だ。IT部門のスタッフにとって、管理作業に時間をかけることが大切なのであって、配信設定の作業はできるだけ省力化するのが基本だ。つまり図書館のカード目録を作成し、常にアップデートしておくことが重要だ」とベイ氏は語る。
またCMS7には、Symantec Ghost、Symantec pcAnywhere、Symantec Workspace Virtualization、Wiseパッケージ化テクノロジーなど、シマンテック製品が統合されており、イメージング、リモートコントロール、アプリケーションの仮想化、パッケージ化などの機能を追加し、先進的なテクノロジーを提供している。さらにCMS7はインテルのvProテクノロジーにも対応しており、勤務時間外にリモートでクライアント管理作業を行うことができる。
SMS7は「サーバ管理に必要な機能はすべて入っていながら、低価格を維持した優れた製品」(ベイ氏)。1サーバー当たりの価格は同種の製品の3分の1程度だというまたイベント管理機能を統合し、さらに重要なイベントをピックアップするためのフィルタを持ち、パフォーマンス監視とアラート機能を強化した。
発表に同席していたインテル マーケティング本部の下野文久氏は、次のように語った。
「クライアント環境の管理を省力化しながら強化するにはどうすればいいのか、ということが今非常に重要な課題となっている。インテルはvProテクノロジーで遠隔地のクライアント管理を含めた省力化に関して、ハード面から支援してきたが、もちろんそれだけては課題解決はできない。CMS7によるソフトウェア機能の拡張と連携することで、ビジネスIT環境の最適化が実現する。ユーザーが自社のIT環境を可視化し、正確に現状認識することが、最初の一歩となる」
また、ベイ氏はTCO削減を目指すための、エンドポイント管理の自動化について次のように語った。
「CMS7、SMS7を中心とした統合型エンドポイント管理ソリューションでは、ユーザーが設定した標準に使うOS、アプリケーションのバージョンを全体のベースラインとして適用する。そしてベースラインのズレを日々把握し、ポリシーに即した処理を自動的に行う。例えば、ポリシーから外れたアプリケーションをインストールしているクライアントは自動的に削除する。同時にバックアップも取っておき、そのクライアントの利用者に対して事後アラートを出し、ポリシーへの理解を求める。そしてこうした作業は常に記録として残され、毎日、最適な状態が保たれる」
IT基盤の現状把握は当然のこととしてとらえられがちだが、実際には常に最適化することも含めるとなかなか難しいというのが実情だ。今回リリースが発表された2製品の持つ機能を求めるユーザーは多い。システム管理に関わるコスト削減は待ったなしといわれているが、その実現にはエンドポイントに着目したITライフサイクル管理が必要だといえるだろう。
今回発表された2製品の提供開始日は3月27日から。参考ライセンス価格はAltiris Client Management Suite 7.0、クライアントあたり14900円。Altiris Server Management Suite 7.0、サーバーあたり69700円。
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