ふくおかFG、情シス改善で金融商品の提案を最適化へ:SAS製品でニーズをくみ取る
ふくおかフィナンシャルグループは、顧客ごとに最適な金融商品を提案するシステムを再構築する。商品ごとにキャンペーンを打っていたサービス展開の戦略を改め、顧客属性やライフステージに基づいたサービスの提案を実施する。
ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)は、顧客ごとに最適な金融商品を提案し、売り上げ増につなげるため、金融機関向けマーケティング支援サービスを採用した。既存のコールセンター機能と連携したシステムを5月に稼働させる予定。金融商品ごとに展開していたキャンペーンを一元管理し、顧客の要望に見合ったサービスを提案できるようになる。サービスを提供したSAS Institute Japanが3月30日に発表した。
同行が採用したのはSASの金融機関向けマーケティング支援サービス「イベント・ベースド・マーケティング(EBM)ソリューション」。顧客のライフステージ(年齢ごとに変化する生活段階)や取引特性の変化、過去に顧客と交わしたやり取りの履歴を包括的に管理できるようになる。例えば、子どもの誕生日にはリボ特別割引の案内をしたり、引っ越し時には保険商品を勧めたりするといった施策が打てるようになる。
サービスの検討に当たり考慮したのは、これまでに使っていた情報系分析基盤との連携。同グループはSAS製品を使っていたため、EBMソリューションとの親和性が高いと判断した。そのほか、システムを柔軟に設計できる点や、顧客を詳細に分類・分析できる点も評価した。
同グループの顧客への提案は、コールセンターやダイレクトメールによるキャンペーンが中心だった。商品ごとにキャンペーンを実施していたため、顧客から見ると各キャンペーンの一貫性やつながり、どのサービスを採用すればいいかが分かりにくかった。同サービスの採用により、顧客ごとの要望をすくい取り、ニーズに見合った商品を提案できるようになるという。
新システムは、EBMソリューションとブレイニーワークスのコールセンターシステム「e-MARKETBRAIN コンタクトセンター Premium」と連携したもの。2009年5月の稼働を予定している。顧客が電話やインターネットから各サービスの手続きや相談ができるダイレクトバンキング業務の効率化につなげる。
今後は営業店などの販売チャネルとの連携も計画している。複数の販売チャネルを横断した販売促進活動を実現させるのが狙いだ。
関連記事
- SASと日本テラデータが協業、金融・小売業者に共同提案
SAS Institute Japanと日本テラデータは、ソフトウェアやサービスの提供を目的に、国内における営業およびマーケティング活動を共同で実施すると発表した。 - SAS、09年はコスト管理など緊急性の高い分野に注力
パートナー経由の販売を増やすとともに、分析コンサルタントを3割増員する。 - 「ポスト金融クライシス」を見据えるHPの新サーバソリューション
経済危機が企業を直撃する状況だが「企業のIT投資マインドは冷え込んではいない」と見る日本HP。同社の2009年サーバビジネスを占うキーワードは「省電力」と「ストレージ/ネットワーク仮想化」になりそうだ――。 - SASと東芝ソリューション、Basel II向けリスク管理サービスで協業
東芝ソリューションとSAS Institute Japanは「新BIS規制」で、オペレーショナルリスクを管理するサービスの提供で協業すると発表した。 - WOWOW、横浜・沖縄・札幌のコールセンター業務可視化で一元管理
有料の衛星放送事業を手掛けるWOWOWにとって、コールセンターは新規顧客獲得の窓口として重要や役割を果たす。そこで電話で顧客と接するエージェントの動きを可視化し、管理者であるスーパーバイザーを楽にする仕組みを取り入れた。 - 千葉銀行など3行、コールセンターの共同システム基盤を構築へ
日本IBMが、千葉銀行、第四銀行、北國銀行が使うコールセンターのシステム基盤を構築し、電話台数や取引量の増加に対応できる環境を作る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.