ウィルコム、新型PHSの「XGP」を企業限定でスタート:10月に商用化
ウィルコムは新型PHSサービスの「XGP」を法人限定で4月27日から試験提供する。10月から商用化する。
ウィルコムは4月22日、高速無線データ通信が可能な新型PHSサービス「WILLCOM CORE XGP」の試験提供を4月27日に始めると発表した。当初は企業向けに限定し、10月から一般ユーザーを含めた商用サービスに移行する。
試験サービスでは、サービスエリアを山手線内の一部地域に限定し、法人と同サービスのインフラを利用してデータ通信サービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」が対象。6月から500件のモニターにPCカードタイプのデータ通信端末を無償で貸し出す。通信速度は最大で20Mbpsとなる。
併せて、山形県と大阪府、京都府、横浜市、広島市ではXGPの通信インフラを利用したアプリケーションの実証実験も行う計画。横浜市ではデジタルサイネージへのコンテンツ配信を無線経由で行う。大阪では阪神電鉄と共同で鉄道沿線の住民向け情報サービスとしてのインフラ機能を検証するという。また、フジテレビと共同でテレビ番組制作用のハイビジョン映像の伝送品質について検証を行う。
XGPについて喜久川正樹社長は、16万カ所の既設PHS基地局やTDD(時間分割多重)技術、完全にIP化されたバックボーン回線を活用することで、上下回線の通信速度を理論値に近い数値で提供できると説明した。
記者会見で行われたデモでは下り回線で約18Mbps、上り回線で12Mbpsの通信速度の実測値を披露した。現在はネットワークの調整を進めている途中のため、商用サービス化以降に理論値に近い速度を実現するという。
商用サービスの概要やサービスエリアについては、「検討段階のため、今後発表する。現在のような安価料金を特徴にできるようにしたい」(同氏)と説明。加入目標についても、サービスエリアの計画がまとまり次第公表するとしている。
XGPに対応した基地局は100局程度を設置済みで、エリア拡大と併せて基地局の密度を高めることで通信品質の維持を図る。通信速度も今後アンテナ技術の「MIMO(Multi Input Multi Output)」を導入するなどして、引き上げていく計画を明らかにした。
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