企業のポイントサービス、09年はゆるやかに増加:矢野経済研究所調べ
「エコポイント」制度が5月15日に始まるなど、企業のポイントサービスが注目を集めている。2009年の動向はどうなるのか。矢野経済研究所がまとめた。
矢野経済研究所は5月14日、企業が提供するポイントサービスの調査結果を発表した。ポイントサービスを提供する企業は過半数に上ったほか、ポイントを気軽に貯めて、景品と交換しやすいサービス内容に変化している。
2009年は、調査対象の企業の54.6%がポイントサービスを提供していた。2007年の調査時と比べて1.8%増加した。クレジットカードやメンバーズカードなど、顧客情報を収拾できるカードを発行している企業は13.1%(2007年比0.8%減)。顧客情報をカードなどから取得していない企業は29.2%と、2007年より4.1%減った。
ポイントを付与する単位は、100円単位が50.7%と過半を占めた。1000円以上の単位が14.9%と続く。全体を通してみると、500円未満でポイントを設定するサービスが増えており、変換レートは1ポイント当たり1円が主流になっている。利用者が分かりやすくポイントをため、景品に交換しやすいサービスに変化しているという。
ポイントサービスの利用者が増えれば、顧客の囲い込みや売り上げ拡大につながる。矢野経済研究所は調査結果について「サービスを提供する企業が増え、自社のポイントを利用して欲しいという意識が強まった。長期間提供するポイントサービスでは、ポイントを頻繁に利用してもらわないと効果が上がらないと感じる企業も増えている」とまとめている。
小売業や飲食業、サービス業などの企業535社に、2008年12月から2009年3月にかけて調査を実施した。
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