2009年、デジタルサイネージのトレンドは?――大型ディスプレイ編:デジタルサイネージジャパン 2009(2/2 ページ)
ネットワークに接続したディスプレイに情報を表示するデジタルサイネージ。急速に普及が進むこの分野は今後、どのように発展していくのか? デジタルサイネージ 2009の会場レポートを2本に分けてお伝えする。
タッチパネルでインタラクティブに
デジタルサイネージというと、情報を“配信”するものというイメージが強いが、ユーザーが操作できたり、ユーザーの携帯に情報を送ったりといった双方向性のあるものも増えてきている。
パナソニックデジタルコミュニケーションズの「タッチパネルデジタルサイネージ」は、大型商業施設に設置されている“触れるデジタルサイネージ”だ。施設内のどこに何があるか知りたいとき、道が分からなくなったときなど、客がタッチパネルを操作すれば目的の情報を検索して表示できる。日本語のほか、英語、中国語、韓国語表示にも対応している。六本木ヒルズに約300台、東京ミッドタウンに約150台設置されているものなので、実際に利用したことのある読者もいるかもしれない。ログを見ると、トイレやATMの場所を探す人が多いそうだ。
店舗の詳細情報を表示すると、QRコードが現れる。これを携帯で読み取ることで、店舗の住所や電話番号などが携帯に表示されるという仕組み。その場で店に電話をかけて、予約を取ったり混雑状況を確認したり、といった利用方法を想定している。QRコードのほか、FeliCaリーダー/ライターを取り付けて、おサイフケータイをかざすと店舗の情報を携帯に取り込める端末も販売している。
もう1つのポイントは“リアルタイムに情報を変えられること”。タッチパネルデジタルサイネージはデータベースとひも付いており、例えば時間帯に応じたレコメンドもできるようになっている。「今、営業しているお店」「これから開かれるイベント」といった検索が可能なのだ。また大型商業施設の場合、テナントのスタッフもユーザーである。Webブラウザの管理画面から、各テナントがデータベースにログインして情報を入力することにより、リアルタイムに更新でき、情報が古くなるのを防いでいる。
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