RIAの認知度は約3割 JavaやFlashと大きな開き:RIAコンソーシアム調べ
リッチインターネットアプリケーション(RIA)の認知度は約3割程度に。Webアプリケーションの技術でも、RIAを駆使したAIRやSilverlightは、JavaやFlashに比べて認知度が低かった。
RIAコンソーシアムは6月30日、業務におけるWebアプリケーションの利用を調査し、結果をまとめた。RIA(リッチインターネットアプリケーション)の認知度は約30%だった。RIAを駆使したシステム開発の成功事例の周知が認知度の向上につながるとしている。
RIAの認知度は「知っている」「聞いたことがある」と回答した人が約3割となった。過去の調査と比べても伸び率の上昇は見られなかった。回答者を「Webアプリケーションの責任者/開発者」に限定すると認知度は6割超。システム関係者の間ではよく知られていることが分かった。
現在の業務アプリケーションに満足している人は約6割だった。一方で残りの4割がアプリケーションのデザインに不満を感じている。業務アプリケーションにデザインが必要と考える人は約8割に上った。
RIAコンソーシアムによると、Webアプリケーションのデザインの肝は「操作性」にあると回答する人が多数だった。操作性を重視するかどうかは、開発にかかわる立場や開発戦略などによって異なる。今後は業務の効率性につなげる点でデザインを考える必要があるとしている。
技術動向
Webアプリケーションの技術に対する認知度を聞いたところ、Java(85.9%)やFlash(71.7%)、.NET(45.6%)が高かった。RIA技術を駆使したAIR(11.6%)、Silverlight(14.4%)、Flex(8.3%)、WPF(5.7%)などは、認知度の面で後れを取っている。
RIAコンソーシアムは「デザインの面でWebアプリケーションに不満を感じているユーザーが多い。高度な操作性を誇るRIA技術がこれらを解消する手段になる」とコメント。課題としては、システム開発におけるRIA採用の成功事例が周知されていないことを挙げた。
従業員50人以上の企業に所属し、業務でWebアプリケーションにかかわる社会人に、インターネット調査を実施。調査時期は2月。700人の回答が集まった。
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