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プライベートクラウドが引き起こす化学変化――ミサワホームの北上CIOに聞くシステム構築の新標準(2/2 ページ)

住宅大手のミサワホームで情報システム担当部長を務める北上義一氏に、クラウドコンピューティングによる変化について聞いた。

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ITmedia プライベートクラウドの問題点としてはどんなことが考えられますか?

北上 サーバなどハードウェアを仮想化した上でプライベートクラウドを運用している場合に、ハードウェア(ストレージ)に故障が起きるとすべての機能が停止し、全国規模で利用ができなくなります。仮想化によりシステムが一体化しているからです。仮想化していなければ、故障したハードウェアにひも付くシステムに影響は限定されるのですが。そのリスクをどのように担保するかが難しい問題といえます。

 これは実際に経験してしまったことです。基幹系システムが仮想化の不具合により止まったことがありました。実はショックでした。複雑なシステム構成にしている場合などは特に難しいといえます。一企業のハードウェア運用管理のレベルアップは限界がありますから、よりインシデント管理レベルの高い外部のデータセンターへの移行の検討やリアルタイム処理のミラーサイトなどをつくるなどの対策があります。

 注意すべきことにデータベースの性能劣化があります。どうしてもシステムは老化します。SQL構文の書き方を規約でしっかり管理すると同時に、データベースを最新な状態に保持することが重要となります。

ITmedia 企業がプライベートクラウドを本格的に利用すると、何か変わることがありますか?

北上 情報システム部の役割が変わります。これまで情報システム部は、IT資産の運用管理やアプリケーション開発を企画から実装まで手掛けてきました。しかし、クラウドを取り入れるとこうした仕事は自ずと減ってきます。そうなると、情報システム部には、各ユーザー部門によるアプリケーションサービスの選定や効き目のある要件の仕様化を支援する目利きとしての役割がこれまで以上に求められてきます。業務にITをいかに適用するかという意味で、よりビジネスの視点が求められるわけです。このとき、業務とITを一体とする経営をリードする役割を担うのはCIOだと考えています。

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