クラウド環境でプログラミング実習――「授業クラウド」、10月に始動
東京工科大学と日本IBMは、企業のIT技術者の育成を目的としたプログラミング実習講座を10月に開講する。講座をネットワーク経由で提供するサービス基盤も共同で開発した。
学校法人片柳学園東京工科大学と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は9月7日、企業のIT技術者の育成を目的としたプログラミング実習講座を10月に開講すると発表した。同講座をネットワーク経由で学生に提供する「クラウド型」のサービス基盤も共同で開発した。
10月から新たに提供するサービスの名称は「授業クラウド」。これはWebブラウザからプログラムの開発・実行環境をサービスとして提供するもの。学生はWebブラウザからプログラム開発の実習ができ、教師は学生が作ったプログラムの実時間を把握したり修正を指示したりできる。サービスを提供する対象は東京工科大学コンピュータサイエンス学部の大学3年生。
日本IBMのブレードサーバ「IBM BladeCenter」を採用し、小規模な試験運用としてサービスを提供。プログラミング実習講座の運営に向け、スクリプト言語の開発・実行基盤「WebSphere sMash Developer Edition」をネットワーク経由で利用できるように改良した。クラウド環境を構築するプロジェクト管理基盤として、作業や構成などを管理できる機能を搭載したソフトウェア「Rational Team Concert」およびリレーショナルデータベース管理ソフトウェア「DB2」を利用している。
学生が作った講義ノートを検索したり、関連のある資料を自動的に結び付けて表示したりするサービスやソースコードや動画・画像などの講義資料を学生と教師で共有する仕組みも順次追加していく予定だ。
東京工科大学、クラウドへの取り組みを強化
東京工科大学コンピュータサイエンス学部では、授業クラウドを活用したプログラミング技術の習得に加え、学生が同サービスを使った実証実験や新機能の開発を実施できる取り組み「授業クラウドプロジェクト」も新たに始める。この活動の母体となる「ossクラウドサービス・センター」と呼ぶ機関を、同大学の八王子キャンパスに新設した。
この取り組みは、IT技術者の育成を目的とした日本IBMの学生支援プログラム「IBMアカデミック・イニシアティブ」の成果の1つ。日本IBMとクラウドコンピューティング関連の技術を研究し、実装や運用を手掛けている。今後は講座数や受講人数の増加を見越してインフラを強化するほか、提供するサービスの対象を校外などに広げていく。
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