「Googleが電子書籍の価格を操作」――ブック検索和解の反対団体が批判
Googleブック検索和解案に反対する団体が、和解は電子書籍の価格操作と独占維持のためだと主張している。
Microsoftなどが参加するOpen Book Alliance(OBA)が9月8日、Googleが電子書籍配信をめぐり、出版社と価格操作を行おうとしているとする意見書を裁判所に提出した。
この意見書は、Googleがブック検索をめぐる訴訟で出版社と交わした和解合意への反対意見を述べたもの。ニューヨーク南地区の連邦地裁に提出された。
Googleと出版社の和解合意では、Googleが米国で絶版書籍を電子化し、商業利用することを認めている。OBAの意見書はこれについて、「Googleと原告の出版社は29カ月にわたってひそかに水平的価格維持について交渉した」とし、独占行為に当たると批判している。
OBAは38ページにわたる意見書で、この和解合意は価格操作と独占維持のためのものであり、Googleと原告の出版社が独占禁止法と著作権法から逃れようとしていると主張している。
OBAはGoogleの和解合意に反対する団体で、MicrosoftのほかYahoo!、Amazon、図書館、出版社などが参加している。
Googleブック検索の和解に関しては独禁法の観点からだけでなく、プライバシーの観点からも反対の声が上がっている。電子フロンティア財団(EFF)や米国自由人権協会(ACLU)は同日、裁判所に和解案に反対する意見書を提出した。これら団体は、Googleのシステムがユーザーが検索した書籍や、その書籍をどのくらい読んだか、各ページをどのくらい時間をかけて読んだかを監視する可能性があると批判。Googleに強力なプライバシー対策を取ることを義務付けるよう裁判所に求めている。
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