Googleブック検索和解に反対する団体結成 MS、Yahoo!、Amazonも参加
「電子書籍が単一の企業と少数の出版社によって掌握される」として、MicrosoftなどのIT企業や図書館が、和解案の実施阻止を目指している。
米Amazonや米Microsoftなどの大手IT企業、図書館、出版社などが、Googleブック検索をめぐる和解に反対する団体「Open Book Alliance」を結成した。
この団体は、2008年秋にGoogleが作家団体Authors Guildおよび米出版者協会(AAP)と交わした和解が、現状のままで実施されることを阻止しようとしている。現状の和解案では、Googleが米国の絶版書籍を電子化して商業利用することが認められている。
和解案は米連邦地裁の承認を待っているところだが、既に一部の出版社などから反対の声が上がっている。また、和解条件はGoogleに独占的な立場を与えるとして、米司法省が調査に乗り出している。
Open Book Allianceは、この和解案の法律上、競争上の問題を立法者や市民に伝えていくことを目指すという。同団体にはAmazon、Microsoft、米Yahoo!、Internet Archive、米作家・ジャーナリスト協会、米文学誌・報道協議会、ニューヨーク図書館協会、Small Press Distribution(SPD)、米専門図書館協会が参加している。
「電子書籍が単一の企業と少数の出版社によって掌握されるようになったら、価格のつり上げやサービスの低下が起きる。人々は書籍の電子化と配信が、オープンで健全な方針の下で、少数の利害関係者ではなく消費者の長期的な利益の推進を念頭に置いた上で行われることを求めている」と同団体の会長ピーター・ブラントリー氏とゲリー・レバック氏は述べている。ブラントリー氏は非営利団体Internet Archiveのディレクターで、レバック氏は法律事務所Carr & Ferrellの独禁法担当弁護士。
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