Oracle Exadataの第2弾は初のOLTPアプライアンス:e-Day
1年前のOracle OpenWorld San Franciscoで鮮烈なデビューを果たしたExadataは、買収合意しているSunの技術をフルに活用し、データウェアハウスだけでなく、トランザクション処理も飛躍的に高速化するアプライアンスとしてパワーアップされた。
今朝(9月16日)は朝5時から早起きし、米OracleのWebキャストを視聴した。データベースアプライアンスであるExadataの第2弾、「Sun Oracle Exadata V2」の発表だ。同社は今月初め、Oracle Database 11g R2を発表したばかりで、来月半ばのOracle OpenWorld San Franciscoに向け、その盛り上げに躍起のようだ。
Sun Oracle Exadataは、買収合意しているSun Microsystemsのハードウェア技術をフルに活用しているのが最大の特徴だろう。新しいSun FlashFireテクノロジーを使い、頻繁に利用される「ホットなデータ」をフラッシュメモリに移動することで、ハードディスクに対するランダムなI/Oアクセスのボトルネックを解消する。その容量もOracleデータベースの圧縮技術と併せ、用途にもよるが、DRAMに数テラバイト、フラッシュメモリには数十テラバイトまで格納できるという。
このため、第1世代のExadataがデータウェアハウス向けと位置付けられていたのに対して、バージョン2はワークロードの種類を選ばない。大規模なデータウェアハウスだけでなく、オンライントランザクション処理(OLTP)や、さまざまなアプリケーションも統合した、巨大なサーバグリッドを構築した場合にも、そのパフォーマンスを飛躍的に高められるという。
ラリー・エリソンCEOは、「同じOLTP性能を叩き出すのに、IBMのマシンであれば4倍高くついてしまう」と、今やハードウェアでもガチンコ勝負となるIBMへの対抗心を隠さない。
もちろん、Exadataの真骨頂は「アプライアンス」にある。どんなアプリケーションであっても、Exadataを付け足していくと処理が速くなるし、ストレージ容量も増やしていける。これまでであれば、場合によっては数カ月も掛かっていたチューニングも必要なく、求める性能がすぐに手に入る。「しかも、Oracleであれば、それだけフォールトトレラント性が高まる。DB2やSQL Serverにはできない芸当」とエリソン氏は発表会で幾度も念押しした。
さて、ここからはメディアとしての興味だが、同社は、来月中旬のOracle OpenWorld San Franciscoを待たずに、Oracle Database 11gとExadataの新ネタを発表してしまった。果たしてカンファレンスの隠し玉は何なのか?
ご心配なく。コンテナ型データセンターの「Sun Modular Datacenter」(コードネーム:Project Blackbox)がちゃんと残してある。サーバにとどまらず、データセンターをアプライアンス化してしまうバケモノだ。エリソン氏のことだから、コンテナをきっと真っ赤にペイントして披露するに違いない。
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