日本オラクル、インメモリデータベース「TimesTen」の新版を発表
インメモリデータベース製品「Oracle TimesTen In-Memory Database 11g」とOracle Database 11gのデータベース(DB)キャッシングのオプション製品「Oracle In-Memory Database Cache 11g」を提供する。
日本オラクルは8月4日、インメモリデータベース製品「Oracle TimesTen In-Memory Database 11g」と、Oracle Database 11gのデータベース(DB)キャッシングのオプション製品「Oracle In-Memory Database Cache 11g」を8月7日から提供すると発表した。Oracle TimesTen In-Memory Database 11gでは、キャッシュ技術を用いた処理の高速性、PL/SQLおよびOracle Call Interfaceのサポート、Oracle ClusterwareとOracle Data Guardを統合して自動フェールオーバーする機能を盛り込んだ。
鍵を握るのは新機能「Database Cache Grid」。Database Cache Gridでは、複数のアプリケーションを共有のメモリキャッシュ上に展開することで、アプリケーションがDB上のデータの物理的な格納場所を把握しなくても済むようにできる。これにより、アプリケーションとデータベースの関係が簡素化するため、ビジネスの拡大に応じたアプリケーションの追加や削除をしやすくできる。
Oracle TimesTen In-Memory Database 11gは、Oracleが2005年10月に買収した米TimesTenのインメモリデータベースの最新版という位置づけ。今回、Database Cache Grid機能を追加したことで、ユーザー企業はサービスを維持したままオンライン上でアプリケーションのノードを追加、削除できるようになる。
アプリケーションを稼働させるためのキャッシュ上のノード「In-Memory Database Cache」が複数存在する場合も、必要に応じてノード間がTCP/IPによるP2Pの通信をし、キャッシュデータを動的に再配置する仕組みだ。これによりノードをまたがった処理をしてもトランザクションの一貫性は保たれるという。
この日、日本オラクルは日本航空の予約サイトへの導入事例を紹介した。実際に稼働中の予約サイト上で「8月10日羽田発、北海道行き。8月18日に帰着」という条件で実際に航空券の検索をすると、約1秒後に結果が表示された。
日本オラクルの常務執行役員、三澤智光氏は「その一瞬の間に4000個のSQLが実行されている。インメモリデータベースの処理の高速性が表れている」と強調した。
Oracle In-Memory Database Cache 11gは、Oracle TimesTen In-Memory Database 11gの全機能とOracle Databaseとのデータ連携機能を備えている。価格は、両製品ともに451万900円。
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