Dell転身の引き金となったHPによるEDS買収:ニュース解説 DellのPerot Systems買収
DellによるPerot Systemsの買収は、2008年のHPによるEDSの買収が引き金になったといえそうだ。
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米Dellが9月21日、IT情報サービス企業の米Perot Systemsを買収することで合意に達したと発表した。(ニュース記事参照)
今回のDellによるPerot Systemsの買収は、ハードウェアベンダーのDellがITサービス会社のPerot Systemsを買収することで、総合システムベンダーへと転身を図る狙いがある。その意味では、類似するパターンである2008年の米Hewlett-Packard(HP)による米Electronic Data Systems(EDS)の買収が引き金になったといえそうだ。
こうした動きの背景には、IT市場の新たな構造変化がある。「所有」から「利用」へのパラダイムシフトを促すクラウドコンピューティングが台頭しつつある中で、データセンターやクラウドサービスを幅広く展開していくためには、ITベンダーとしての総合力が決め手になるとみられる。
つまり、Dellは今回のPerot Systemsの買収によって、新たな時代をにらんだ総合システムベンダーとして、IBMやHPと真っ向から勝負していく意思を明確にしたといえる。
Dellが今回買収を決めたPerot Systemsは、1992年に米大統領選に出馬したロス・ペロー氏が1988年に設立したITサービス会社だ。
その事業形態は、EDSとよく似ている。それもそのはず、EDSもかつてペロー氏が設立した会社だからだ。同氏がIBM勤務を経て1962年に創業したEDSは、1968年に株式上場を果たしたものの、1984年には自動車最大手の米General Motors(GM)に買収された。その後も同氏はしばらく経営陣として名を連ねていたが、再挑戦する形で1988年にPerot Systemsを創業した。
めぐり巡ってEDSを買収したHP、そしてPerot Systemsの買収を決めたDell。両社の新たな時代に向けた挑戦を、いずれもペロー氏が創業した会社が支える役回りになったのは、何とも奇妙な縁である。
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