人生の“壁期”を考える〜『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』:マネジャーに贈るこの一冊(2/2 ページ)
いま、20代女性と40代男性の恋愛が増えているという。2つの世代をつなげる共通の悩み“壁期”との向き合い方を考えてみよう。
40代といえば、体力の衰えや近しい人の死といった、人生を考えさせるできごとが起きがちな時期です。また「先が見えた」と思う一方で「まだまだ長い」職業人生に飽きたような気持ちになったり、「大勝負をするならこの時期しかない」という焦りを感じたりもします。心理学にも“中年の危機(ミッドライフ・クライシス)”や“人生の正午”などの言葉があり、“壁期”を必然的な成長段階と見なす学者もいます。
冒頭で、当メディア読者の平均年齢は42歳と書きました。社会人になって20年目というところでしょうか。この世代は、あと何年働くのでしょうか。生産人口の減り具合を考えると、60歳で引退ということはまずないでしょう。仮に72歳までは働いてほしいという社会的な要請があるとすると、労働期間は50年間。42歳の現在は、まだ4割を過ごしたにすぎません。わたし自身“壁期”にいるかどうかはよく分かりませんが、明らかな壁が見えたとしても、きちんと向き合って乗り越えていきたいとは思います。
幸い、近年の恋愛観(人生観)の変化やITツールの発達がもたらしてくれる可能性は、異世代恋愛だけではありません。著者の先輩筋に当たる上條典夫の『ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム』では、これからの消費とビジネスのあり方がどう変わっていくかを、5年間のスパンで予測しています。消費がどう変わるかということは、つまりわれわれがどう変わるかということです。
例えば『「趣味は経営です」マイクロビジネス・ブームが拓く〈誰でも社長時代〉』という章があります。これはすでに起きている事象と言っていいでしょう。もうすこし踏み込んだ(期待を込めた?)予測としては、『日本人の「ホスピタリティ」と「ダイバーシティ」が世界中の人々を引き寄せる』という章もあります。とてもわくわくさせてくれる本でした。
これらの予測が当たるかどうかはともかく、変化の幅を考えれば「5年間でこれくらいの大きな変化があってもおかしくない」とは思えます。こういった新しい可能性に目を向けてみると、“壁期”を乗り越えるヒントをつかめそうに思います。
今週の、マネジャーに贈るこの一冊
大屋洋子著
講談社
2009年8月21日
ISBN-10: 4062725967
ISBN-13: 978-4062725965
880円(税込み)
なぜ20代男性との恋愛は退屈なのか? 世代によって恋愛に対する考え方や常識においてギャップが生じている「いま」ならではの新たなカタチの恋愛文化、そして世代を超えて愛し合う男女の性の共通点を説く現代最新恋愛事情。
著者プロフィール:堀内浩二
株式会社アーキット代表。グロービス・マネジメント・スクール講師などを兼任。
「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。工学修士(早稲田大学理工学研究科)取得後、外資系コンサルティング企業(現アクセンチュア)入社。シリコンバレー勤務を経験。帰国後日米合弁のベンチャー企業にて技術および事業開発を担当。2002年より現職。
著書に『クリエイティブ・チョイス』『「リスト化」仕事術』(『リストのチカラ』の文庫化)がある。「起-動線」「*ListFreak」などのサイト運営も手掛けている。
ITmedia オルタナティブ・ブログにて「発想七日!」を執筆中。
マネジャーに贈るこの一冊バックナンバーも、どうぞご覧ください。
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