ダウンロードに潜む脅威、ユーザー心理に付け入るサイバー犯罪(2/2 ページ)
マルウェアで騒ぎを起こすという攻撃は過去のものになり、現在は情報窃盗と詐欺が主流になった。2009年はユーザーの心理に付け入り、こうした攻撃を仕掛けるケースが目立ったようだ。
2010年に予想される脅威
ホーガン氏は、2009年にみられた脅威の特徴から2010年はより巧妙な手口でユーザーをだますケースが増えるだろうと予想する。
例えば詐欺ソフトでは、2009年だけで数百種類の偽ウイルス対策ソフトが出現したが、PCをチューンナップするとうたった偽ソフトも見つかるようになった。同氏は、「経済危機から多くのユーザーがPCを買い替えずに既存のPCを高性能化したいと考えている。攻撃者はそこに付け込むだろう」と予想する。
また、スマートフォンに代表される携帯デバイスを標的にした脅威も広まる可能性がある。特にiPhoneは世界的な人気からユーザー数が急増し、11月にはロックが解除された同端末に感染して、情報を盗み出すワームが見つかった。スマートフォンがPCに続く規模に普及すれば、こうした脅威が日常化する恐れがある。
スパムメールでも2009年はマイケル・ジャクソン氏の死去といったニュースに便乗して、悪質サイトに誘導させる手口が横行した。坂本氏は、「2010年は冬季五輪やサッカーW杯といったスポーツイベントがあり、スパム送信者が便乗する可能性は高い。電子メール全体に占めるスパムの割合も現在の90%近くから、さらに増えると思われる」と予測する。
ユーザーがこうした脅威に備えるには、ウイルス対策ソフトを最新の状態にするといった基本的なセキュリティ対策を徹底することが不可欠。さらには、オンラインで接するWebサイトやメール、また、周辺機器といったPC周辺の情報伝達の経路に細心の注意を払い続ける必要がありそうだ。
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ユーザーは不正ファイルのダウンロードを思いとどまったつもりでも、知らないうちにマルウェアに感染させられている。
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