ニュース
2010年という年:伴大作の木漏れ日(3/3 ページ)
クラウドコンピューティングがビジネスになっているベンダーはほとんどないようだ。企業がクラウドを導入しない理由が存在するからだ。だが、確実に動いていることもある。
ヒストリカルトレンド
このような大企業ユーザーの思惑がある一方、インターネット上の情報やサービスは急速に量が増加し、その質も向上している。サービスをする企業の多くはベンチャー企業であり、大企業と比較すると脆弱な資金しかない。それでも彼らのサービスが支持されるのは、ユーザーのニーズに合致しているからである。
一昔前は、Webなど特別な技術者のみにしか許されなかったテクノロジーであったが、今や実に多くの人たちができ合いのインフラを使用してさまざまなコンテンツやサービスを提供し始めている。従来型のPCからNetbook、iPhoneへの移行、さらに企業内のドメスティックシステムからクラウドへの移行。これは一見すると全く異なった事象のように見えるが、根底ではつながっている。ヒストリカルトレンドということができる。
不景気、ICT投資の削減という目先の課題にばかり目を奪われて、眼前で起こっている大きな変化流れを見逃さないでほしい。その視点から、来年2010年という年を考えてみてはどうだろう。
企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック
関連記事
- 鳩山さんとコンピュータ――2010年代の産業政策
- 世界の潮流と日韓
- クラウドバーストの衝撃
- クラウドって何だ――流行り言葉に隠された真実
2008年暮れから大ブレーク、現在もますます増殖中のIT用語に「クラウドコンピューティング」がある。この話題について考えを述べてみたい。 - 遠ざかるスパコン世界一の座
NECと理化学研究所次世代スーパーコンピュータ開発本部は、次世代スーパーコンピュータの共同開発体制について発表した。日本が次世代スパコンで世界一に返り咲くことは難しそうである。 - 競争が激化するx86市場――IBMとHP、そして富士通
富士通の経営方針説明会が3月30日に開催された。富士通はx86強化を表明したが、日本および世界市場におけるIBMやHP、NEC、Dellといったライバル企業の壁は低くない。 - 会社が無くなる――根底から変化する日本の産業構造
大手コンピュータベンダー幹部と会って話をした。話題は日本の産業構造が根底から覆るのではないかという話だ。これはわたしがこの十年の変化を振り返ってじっくり考えて得た結論だ。 - がんばれ日立
社長人事を発表した日立は今月、主力サーバ製品「Blade Symphony」を発表している。4年ぶりの発表というのは違和感があるが、ハードウェアを取れば企業のシステムインテグレーション需要を取り込めるため、奮起が期待できる。 - HPの新製品「ProCurve」発表にみる本気度
日本HPはさる1月29日、次世代データセンター用ネットワークスイッチの新製品「ProCurve」を発表した。Cisco Systemsの製品を意識して発表したようだ。 - 日本の技術力が生きる「グリーンニューディール」
バラク・オバマ氏が米国第44代大統領に就任した。米国で長年虐げられてきたカラード出身者では最初の大統領だ。彼は就任演説で、幾つかの政策を明らかにしたが、その中で僕が注目しているのは「グリーンニューディール政策」だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.