ニュース
中小企業のコスト削減、社員の意欲低下に影響
中小企業が進める経費を中心としたコスト削減によって、社員から不満が出ていると感じている経営層が約半数に上ることが、NTTレゾナントの調査で分かった。
NTTレゾナントは1月21日、企業のコスト削減と社員のモチベーション(やる気)をテーマにした意識調査の結果を発表した。中小企業の経営層の約半分が、コスト削減による社員のモチベーション低下を不安に思っていることが明らかになった。
交際費や交通費などのコスト削減によって、社員から不満が出ていると感じている経営層は、約48.8%に上った。社員の不満の内容としては「現場を理解していない」が44.4%、「働きにくくなった」が43.4%、「業務を理解していない」が40.5%となった。不満を解消する対策を実施していない企業は69.8%。7割近くの企業が対応に遅れていることが浮き彫りになった。
コスト削減を継続的に実施するという回答は89.3%。懸念する項目としては「社員のモチベーションが低下する」が45.3%で最も多かった。経営層の多くは、コスト削減が社員の業務や意識に及ぶことを懸念している。
コスト削減として実施した項目は、「交際費(接待など)の削減」(62.6%)、「交通費の削減」(54.3%)、「コピー費の削減」(53.8%)の割合が多くを占めた。
調査は2009年12月18日から21日に実施。10〜299人規模の企業の経営層(部長職、取締役など)に、インターネット調査「gooリサーチ」で聞いた。有効回答者数は420人。
関連記事
- 社員のコスト意識を根底から変えた「箱崎可視化計画」
環境保護とコスト削減――。この相反する課題解決をIBMは38年間にわたり続けている。その実体はプリンタの出力制御や電気の消灯など「爪に火をともすような」ものではある。だがこの全社的な取り組みが、毎年3.5%ものエネルギー消費量削減をもたらしている。 - 定時に一斉消灯、省エネと就業意識の変革を狙うNEC
経済危機の直撃によって一層のコスト削減を迫られている日本の製造業。NECは「ちりも積もれば」を合言葉に日常的な節約にも余念がない。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.