Google、Microsoft対抗のメディアプレーヤー開発 Chromeに統合へ
Googleは、Windows Media Player(WMP)と似たフル機能のメディアプレーヤーを開発して、Chrome OSとChromeブラウザに統合する計画だ。
GoogleのChrome OSがNetbookに搭載されるのは2010年末ごろだが、同OSがMicrosoftを打倒しようとしていることが次第に明らかになっている。
Chrome担当の主任エンジニアは、Windowsに組み込まれているWindows Media Player(WMP)と似た機能を持つメディアプレーヤーをChrome OSおよびChromeブラウザに統合するとArs Technicaに語った。
Chrome OSは、GoogleがWindowsやMac OSの代替選択肢としてNetbook向けに開発しているオープンソースのWeb OS。Netbookは数秒から数分で起動する。
Chrome OSはNetbookをさらに短時間で起動する。さらにChromeブラウザと併用することで、わずか数秒でWebアプリケーションをロードできる。Googleはユーザーがオンラインでもっと高速にGmail、YouTube、Google VoiceなどのWebサービスにアクセスできるようにすることを目指している。
同OSには、Chromeブラウザ内で動作するフル機能のメディアプレーヤーが搭載されるようだ。同ブラウザは最近、全世界のユーザー数でAppleのSafariを追い越し、約5%のシェアを獲得した。
Chrome OSプロジェクトのエンジニアリングディレクター、マシュー・パパキポス氏はArs Technicaの長文インタビューで次のように語っている。
「われわれが取り組んでいるもう1つの大きな要素は、メディアプレーヤーをChromeとChrome OSに統合することだ。ある意味では、WMPに相当するものをChromeに組み込む」
「例えば、MP3の曲がたくさん入ったUSBメモリを持っている場合、USBメモリをPCに差し込んでMP3を聞きたいと思うだろう。そのような場合、Webページの操作は必要ないかもしれないが、それなりのOSかWebブラウザが必要になる。そこでわれわれは、ChromeとChrome OSがこのような使い方をスムーズに処理できるように作業をしている」
Googleはかねて、Chrome OSを高速にオンラインに接続できる高速・軽量プラットフォームにして、ChromeブラウザをWebアプリを起動する「発射台」にする意向を明確にしてきた。これは、Windowsプラットフォームとローカルにダウンロードされたアプリケーションを組み合わせたMicrosoftのモデルの代替選択肢となる。
Webベースのメディアプレーヤーの統合計画が明らかになったことで、Googleが完全に「WindowsをオープンソースのWebベースプラットフォームにしたようなもの」を考えていることが浮き彫りになった。
Googleが従来のデスクトップコンピューティングのパラダイムから解放しようと考えているのは、メディアプレーヤーだけではない。パパキポス氏は、Chrome OSでは、Webアプリが「mailto」リンクやファイルタイプを処理できるようにする方法に取り組んでいるとも語っている。
例えば、mailtoリンクをクリックすると、ユーザーはブラウザから引き離され、Windowsメールに移動させられる。これはGmailユーザーには不便だ。理想的なのは、「訪問中のサイトでの流れが断ち切られないように」、mailtoリンクをクリックするとChrome OS内でメール作成ウィンドウまたはパネルがポップアップ表示されるという形だと、同氏は言う。
同様に、ユーザーは.docファイルをクリックしたときに、Office Liveの代わりにGoogleのビュワーで文書をプレビューするか、文書をUSBメモリに保存したいと思うかもしれない。
もしもGoogleがChrome OSで成功し、Acer、ASUS、Hewlett-Packard(HP)、Lenovoなどのパートナーに同OS搭載機を販売してもらうことができれば、それは大きな快挙であり、Red HatやUbuntuなどのLinuxプラットフォームにあまり脅威を感じていないMicrosoftに対する挑戦状にもなる。
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