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富士通、クラウドに特化したスケールアウト型サーバを発表

富士通の新しいサーバプラットフォーム「CX1000」は、サーバノードからファンを全廃しラックで集中冷却するのが特徴。ホットアイルが生じないためフロアを有効活用でき、また軽量化によりラックにサーバを満載できるという。

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CX1000のラック背面。よく見ると、吸気口の密度が上下で異なっている
CX1000のラック背面。よく見ると、吸気口の密度が上下で異なっている

 富士通は3月17日、同社に取って新しいサーバプラットフォームとなる「PRIMERGY CX1000」を発表、同日より販売開始する。1ラック当たり38サーバノードを搭載でき、数十台から数千台規模のスケールアウト型システムに適するという。富士通では同製品を、需要の急増しているクラウドコンピューティング向けと位置付け、大規模データセンターやSaaS事業者での需要を見込む。

 見方によっては一般的なラックマウントサーバともとれるCX1000だが、その特徴は冷却方式にある。例えば従来、富士通のラックサーバ「PRIMERGY RX200S5」には各ノードに8個、CX1000と同じ38サーバをマウントした場合は304個もの冷却ファンが搭載されていた。

 だがCX1000では、個々のラックサーバから冷却ファンを全廃。代わりに専用ラック上部に備えた大型ファン(冗長含め2個)で熱を吸い上げ、ラック全体を集中冷却する。

 この場合問題になるのは、「ラックの上部と下部では、冷却効率に差が出るのではないか?」ということだ。対策としてCX1000では、ラック背面の吸気口を上部は疎に、下部は密にすることで、冷却効率の平準化を図った。

 このようなCX1000の冷却方式では、原理的にホットアイル(サーバの排気による熱だまり)が発生しない。従来、サーバルームなどに複数のラックを設置する際、ラックの排気側を向かい合わせて設置し、その空間をホットアイルとする構成が一般的であった。だがCX1000ならば、ラック間を“詰めて”設置でき、フロアの有効活用、ひいてはデータセンターの高密度化につながる。富士通では従来のラックサーバ設置環境と比較して、スペースを約40%削減できるとしている。

 併せて従来のラックマウントサーバが抱えていた課題としては「フロアの耐荷重制限からラックにサーバを満載できない」というものがあった。この点についてもCX1000は軽量化を図ることで、例えば「耐荷重は1平方メートル当たり500キログラムまで」と定められている場合でも、38サーバノードを満載できる。

設置スペースの削減イメージ
設置スペースの削減イメージ

 CX1000の価格は専用ラック(スイッチ除く)に38サーバノードを搭載した最小構成で税別1480万円から(Xeon E5506×2、HDD:なし、メモリ:2Gバイト×8)。富士通 執行役員常務の佐相秀幸氏は「2010年度のサーバ年間販売目標50万台は堅持する」とした。

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