富士通、中堅向け事業の拡大を見据えた新体制へ
富士通が中堅・中小企業向け事業の拡大を狙い、子会社の富士通ビジネスシステム(FJB)に関連するサービスや開発機能を集約していくと発表。GLOVIA smartの拡充やクラウドサービスの拡販につなげていく。
富士通は3月18日、中堅・中小企業向け事業の拡大に向け、関連するサービスや開発機能を子会社の富士通ビジネスシステム(FJB)に集約していくと発表した。情報システムの構築、運用、支援までを手掛けるサービスの提供や業種に特化したSaaS(サービスとしてのソフトウェア)の拡充を図る。
富士通グループの中堅企業向けERPパッケージソフト「GLOVIA smart」と富士通ビジネスシステムの情報システムの導入・サポートを融合し、GLOVIA smartの販売につなげるのが狙い。情報システムの導入に必要なサーバ、ストレージ、ミドルウェアなどのインフラ、情報システムの構築、テスト、運用までを1つのサービスとして一括で提供する。必要に応じて、他社製品を組み合わせたシステム構築も提案する。
中堅・中小企業向けにアウトソーシングサービスの価格を設定するほか、SaaSにも注力し、クラウドサービスの拡充を狙う。業種や共通業務に特化したSaaSを増やしていくとしている。
富士通では、中堅向けの戦略や企画、パートナー企業の支援を一元化する100人規模の組織「民需ビジネス推進室(仮称)」を4月1日に新設する。10月1日には、同組織の機能を富士通ビジネスシステムに移管する予定。富士通ビジネスシステムの強みである東名阪エリアのパートナー支援機能を一体化し、利益拡大につなげていく。
4月1日には、GLOVIA smartの企画・開発を手掛ける人員(約130人)も富士通ビジネスシステムに統合。クラウドサービスや拡販体制を整備していく。富士通ビジネスシステムの社名を10月1日付で変更する予定だ。
富士通は、2009年5月に富士通ビジネスシステムを完全子会社化し、グループ体制の見直しやサービスの拡充を検討してきた。中堅企業向けのサービスでノウハウを持つ富士通ビジネスシステムを中核として、グループ企業およびパートナー企業のノウハウを活用し、中堅・中小企業向け事業の拡大に取り組んでいく見通しだ。
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