NEC、Xeon 7500番台搭載のHAサーバを発表――東北大が先行導入
NECが発表した「Express5800/A1080a」は、最大64コアのプロセッサと2テラバイトのメモリを搭載でき、基幹システムだけでなくHPC分野にも向くという。東北大のサイバーサイエンスセンターが先行導入した。
NECは4月9日、最新の8コアプロセッサ「Intel Xeonプロセッサ7500番台」を搭載したスケーラブルHA(High Availability)サーバ「Express5800/A1080a」を発表した。同日より販売活動を開始する。
本製品は、8コアのCPUを最大8個(計64コア)搭載でき、これは従来機種と比較して約2倍の処理性能となる。また仮想化環境を構築するに当たり、プロセッサ性能よりもボトルネックになりやすいメモリ搭載量を、従来機種比8倍となる最大2テラバイトにまで拡張した。これにより企業の基幹システムだけでなく、科学技術計算向けのHPC分野にも向くという。価格は次のとおり。
モデル | 税別価格 | 出荷時期 | 備考(最小構成) |
---|---|---|---|
Express5800/A1080a-S | 162万1000円〜 | 2010年5月10日 | Xeon E7520×1、メモリ4Gバイト、HDD146Gバイト×2 |
Express5800/A1080a-D | 256万9000円〜 | 2010年5月10日 | Xeon E7520×1、メモリ4Gバイト、HDD146Gバイト×4 ※上記構成を1筐体に2台搭載 |
Express5800/A1080a-E | 655万9000円〜 | 2010年6月24日 | Xeon E7540×8、メモリ8Gバイト、HDD146Gバイト×2 |
なお先行ユーザーとして、東北大学サイバーサイエンスセンターが、HPCクラウドのサービス基盤として導入した。同センターの大規模科学計算システムに使われるという。センター長の小林広明氏が、以下のエンドースメントを寄せている。
「東北大学のサイバーサイエンスセンターでは新並列コンピュータシステムとして、現有ベクトル型スーパーコンピュータの増強を図ると共に、科学技術計算向けの次期スカラサーバとして、従来のプログラム資産の移行性、高い演算性能と主記憶容量の強化、高負荷時の安定したシステム稼働などを満たせる「Express5800/A1080a-D」 を6ノード導入し、運用を開始いたしました。〜〜中略〜〜今回の新並列コンピュータ導入により、今後より良い計算環境を日本の学術研究者に提供できると期待しています。(中略以外原文ママ)
NECのExpress5800シリーズは、東北学院大や石巻専修大において、学生向け情報システムの基幹として使われるなど、東北地方の教育機関で導入が続いている。
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