Adobe、「Flash Player 10.1」と「AIR 2」の正式版をリリース
Flash Player 10.1はCocoaアプリになり、AIR 2ではCSS3やHTML5の幾つかの機能をサポートした。
米Adobe Systemsは6月10日(現地時間)、「Flash Player 10.1」と「Adobe AIR 2」の正式版をリリースしたと発表した。それぞれのWindows、Mac、Linux版が、Flash PlayerのサイトとAIRのサイトからダウンロードできる。なお、両ソフトのAndroid向け正式版は6月中に公開する予定。
Flash Player 10.1では、現在攻撃が多発している深刻な脆弱性に対処したほか、多数の新機能を追加した。CPUとメモリの消費量を減らし、性能と消費電力管理機能を強化。H.264のハードウェアアクセラレーション、マルチタッチ、Webブラウザのプライベートブラウジングモードに対応した。プライベートモードで閲覧したFlash関連のデータは、通常モードに切り替わる際に削除されるようになった。
Adobeは現在、Flashをめぐって米Appleと対立しているが、Macに特化した機能も追加した。まず、Appleの「Cocoa」で構築した“完全な”Cocoaアプリになった。Cocoaのイベント、ユーザーインタフェース、Core Audio、Core Graphics、Core Foundationを利用している。また、全画面での動画再生を高速化するためにOpenGLのダブルバッファを、レンダリング性能を強化するためにCore Animationを採用した。
AIR 2では、ランタイムの性能を改善し、CPUとメモリの消費量を削減した。既存のAIRアプリを稼働させた場合、メモリの消費量を最高で30%削減できるとしている。また、マルチタッチやネットワーク機能など多数のAPIを追加し、HTML、CSS3、HTML5のサポートを強化した。JavaScriptエンジンも更新し、前バージョンの2倍にクロックアップしたとしている。
AIR 2のSDKは、デザインスイート「Creative Suite 5(CS5)」に含まれるほか、15日から無料でダウンロードできるようになる。
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