Googleがゲームに参入するのではないかとの予想が出てから数日後、テクノロジーブログTechCrunchが、Googleがソーシャルゲーム大手のZyngaに1億ドル以上を出資したと報じた。Zyngaはソーシャルゲーム「Farmville」「Mafia Wars」で、数百万人のFacebookユーザーを獲得している。
この戦略的提携により、年内に「Google Games」が立ち上がったときに、Zyngaはその中心になるだろうと同ブログは伝えている。
Google Gamesがスタートするという確かな証拠はない。Googleはコメントを控えている。
だがTechCrunchは、ゲーム製品管理リーダーを募集するGoogleの求人広告を指摘している。求人内容の説明は、Googleのオンラインゲーム参入の意向を示している。
「ゲーム製品管理リーダーは、柔軟かつ結果志向で、経験豊富な上級リーダーで、Googleのゲーム製品戦略の開発と、部門横断的に事業を構築し、管理する職務を担当する」
ユーザーはFacebookで熱心にZyngaのゲームをプレイしている。それが同社への多額の出資を説明している。
TechCrunchは、Zyngaは約5億ドルのベンチャーキャピタル資金を獲得しており、うち1億8000万ドルをDigital Sky Technologies、Tiger Global、Institutional Venture Partners、Andreessen Horowitzから調達していると伝えている。
Zyngaの資金には、未確認ではあるがSoftbank Capitalからの1億5000万ドルの出資も含まれるとみられ、その一部にGoogleが投資しているとTechCrunchは主張している。
ZyngaのゲームはユーザーのFacebookの使い方を変えたとの見方もある。過去2年間、ユーザーは単にFacebookで情報を共有したり、交流するだけではなく、友人と何時間もゲームをプレイするようになった。
この「stickiness(ユーザーをサイトに引きつける「粘着性」)」がユーザーの再訪を促し、ソーシャル広告の閲覧を増やしている。それが、Facebookを含め多数の企業がZyngaを買収しようとした大きな理由だ。
Googleのゲーム参入はゆっくりと具体化している。ゲームへの進出は、Web上でプレイするゲームの人気を理解している人には驚くようなことではない。Googleはこの分野に集客と広告収入を期待している。
GoogleがITA Softwareを買収する前から同社のオンライン旅行参入を予想していたHitwise Intelligenceのアナリスト、ヘザー・ホプキンス氏は7月7日に次のように述べていた。
「この(旅行関連の)買収を最初に予測してから4年かかったかもしれないが、クリックストリームデータから分かるGoogleの次の進出分野は何だろうか? ゲームだ。旅行の次にGoogle.comからトラフィックが流れている産業はゲームであり、Googleはまだこの産業にプレゼンスがない。引き続き注目だ」
TechCrunchのスクープとゲーム関連の求人広告は、Googleがゲームに進出するという予想を裏付けているようだ。
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