仮想化環境でのバックアップ時間を短縮するには?:Open Middleware実践講座
仮想化環境におけるバックアップデータは増大する傾向にあり、作業時間もネットワークへの負荷も大きくなりがちです。この問題を解決する方法の1つが「重複排除」です。
(このコンテンツは日立「Open Middleware Report vol.51」をもとに構成しています)
「重複排除機能」を使うことで、バックアップ容量を削減し、作業時間も短縮
近年オフィス文書の大容量化やアプリケーションの多様化によりデータが急増し、安定した維持管理が困難になりつつあります。そのため、確実なバックアップがシステム運用管理上の重要な要件となっています。データが肥大化することでバックアップ先のストレージ(ディスク/テープ)が容量不足に陥るとともに、バックアップの作業時間が大幅に延長し、ネットワークにも負担がかかることで、日常業務に影響を与えるケースが増えているようです。
一般的にバックアップ容量を削減するには「フルバックアップ」と、変更されたデータのみをバックアップする「差分バックアップ」を併用します。
例えばフルバックアップは月に1度実施し、差分は週に1度バックアップを行う、などの方法がとられます。
しかし差分バックアップの際、ファイル単位など大きな単位でバックアップ対象のデータを比較してしまうと、データの変更部分がファイル内のほんの一部であってもファイル全体が対象となるため、バックアップ容量の削減効果は期待するほど大きなものにならない場合もあります。
このようなときバックアップデータを効率的に削減する手段として、重複するデータをバックアップの対象外とする「重複排除機能」を使うのが効果的です。日立では、マルチプラットフォーム環境向けバックアップ運用ツール「JP1/VERITAS NetBackup7」、およびWindows環境でのバックアップツール「JP1/VERITAS Backup Exec2010」(ともに有料オプション)を提供しており、ファイル単位ではなく、さらに細かなセグメント(ブロック)レベルでデータを比較し、同じセグメントをバックアップしないようにすることで、差分バックアップのデータをさらに圧縮し、バックアップ先のストレージ容量を削減できます。
毎日のバックアップに費やす時間の短縮はもちろん、重複排除をエージェント側で実施することで、流れるデータを最小限に抑えられるため、ネットワークに与える負荷を低減できます。
この重複排除機能は、仮想化環境におけるバックアップの際に有効です。仮想化環境ではリソースを多用し、取り扱うデータも従来の物理環境より増える傾向にあるため、バックアップ先のストレージ容量も増加しがちです。
例えばゲストOSをインストールする場合に重複排除機能を使えば、ゲストOSの重複データも排除対象にできるため、バックアップ先のストレージ容量を削減できます。
今後、仮想化が一般化しクラウド利用のフェーズへと移行することで、流通するデータ量がさらに増加するでしょう。効率的で低コストのデータバックアップ環境を用意しておくことは、ビジネス継続の観点からも有効といえるでしょう。
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