情報セキュリティの支出は微増、“付け焼刃”的な対応が課題に:ITmedia リサーチインタラクティブ 第8回調査(3/3 ページ)
ITmedia エンタープライズとITRが実施した読者調査によると、2010年度の情報セキュリティ支出額が増える見込みの企業が減少する企業を上回った。しかし、IT支出全体に占める割合が不透明だとする回答が目立つなど、依然として「事後対応」に重きを置く状況が明らかになった。
重点は「組織強化」と「外部記憶媒体」
本調査では情報セキュリティに関してどのような課題認識を持っているかを探るために、支出の増減とは別に「強化を必要としているセキュリティ対策」についても回答を求めた。その結果をまとめたのが図6および図7である。
最多は「ポリシーの見直し、社員教育を含めた組織としてのセキュリティ対策強化(44.6%)」であった。技術への投資だけでなく、組織全体でセキュリティ意識を高く保つことを、多くの企業が重視していることがうかがえる。これに続くのが、「USBメモリなど外部記憶媒体にまつわるセキュリティ対策(43.0%)」だった。近年は外部記憶媒体の低価格化と大容量化が進んだことで、情報漏えいやウイルス感染を引き起こす要因になっているとも指摘される。今後しばらくの間はこの対策への支出は増えると予想される。
回答を従業員規模別に見ても、上位2項目はすべてのセグメントで高い選択率を示しており、企業規模を問わずに課題になっていることが分かる。注目すべきは、「従業員数1000〜5000人」の準大手企業が積極的な姿勢を示している点だ。「ポリシーの見直し、社員教育を含めた組織としてのセキュリティ対策強化」については、実に6割近い企業が強化の必要性を感じている。また、「モバイル端末のセキュリティ対策」についても、半数以上の企業が強化の必要性を感じている。
全体平均では決して高い数字ではないが、「レガシーOS(サポート切れOS)マシンの継続利用」が中堅以下の企業で重視されているのが興味深い。これは2010年7月にWindows 2000のサポートが終了し、その対策がまだ打てていない企業が少なくないことを物語っていると言えよう。
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