クラウドの進化をネットワークで支援――ブロケード、2011年度下半期の戦略を発表
ブロケードはシンプルなネットワーク基盤を構築するスイッチ製品の販売を通じ、クラウドサービスの進化を支援する。
ブロケード コミュニケーションズ システムズは、6月1日に開催した記者説明会の場で、2011年下半期の事業戦略を発表した。STP(Spanning Tree Protocol)が不要なネットワーク環境をデータセンター内に構築するというスイッチ製品の販促強化などを通じ、クラウドサービスを展開する企業を支援していくという。
登壇した米Brocade Communications Systemsのダグ・イングラム バイスプレジデントは、「クラウドサービスの進化にはトラフィック増大がともなうため、データセンター内のネットワーク環境を変革する必要がある」と話した。クラウドサービス事業の基盤となる多数の仮想サーバを統合的に管理するため、ブロケードは昨年11月に発売したスイッチ製品「Brocade VDX 6720(VDX)」のデータセンターへの導入を提案する。
VDXは、データセンターにおいてイーサネットファブリックを構築する10ギガビットイーサネット(GbE)対応のスイッチ製品。複数のスイッチをつなぐことで1つの仮想スイッチとして機能させ、ネットワーク全体の構造を簡素化する。従来のイーサネットの問題点であった、管理の複雑さや拡張性の低さを克服するという。また省電力性能も高く、他社製品と比べてネットワークの運用・保守にかかる使用電力を約40%削減できるとしている。
併せて同社は、データセンター事業者のさくらインターネットがVDXの導入を決定したことも発表した。さくらインターネットは、「新しいクラウドサービスの構築計画を進めている」とし、仮想マシン間の通信をスムーズにするため、大量の10GbEポートを収容できる拡張性を持ったVDXを選択したという。
ブロケードは今後、「クライアントにハードウェアとネットワーク環境を一緒に提供できるように、国内のシステムサービス事業者とパートナーシップを結んでいく」(ブロケードの青葉雅和社長)としている。
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