日本HPがストレージ新製品を発売、ブランド名も刷新
日本HPはストレージの新製品3モデルを発売した。またストレージ製品群のブランド名を「HP Storage」に刷新し、販売戦略を強化する。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は6月9日、中堅・中小企業向けストレージ製品の新モデル「HP P6000 Enterprise Virtual Arrayファミリ」(P6000 EVAファミリ)および、スケールアウト型NAS製品「HP X9000 Network Storage Systemsファミリ」の機能強化モデルを発売した。併せて、ストレージ製品ブランドの変更と新戦略を発表した。
P6000 EVAファミリは、最大容量240テラバイトの「P6300 EVA」および480テラバイトの「P6500 EVA」をラインアップする。主な使用環境としてファイバチャネルによるSANを想定しており、既存のストレージの活用や、業務アプリケーションの統合に適しているという。
同製品は毎秒6Gバイトの通信速度に対応したSASドライブを備え、従来に比べ処理スピードが約2倍に向上したという。また、省電力/省スペース化も実現する。新たに2.5型SAS HDDを搭載したことで、従来に比べ消費電力を約40%、設置面積を約50%削減したという。
こうしたハード面に加えてソフト面も強化した。運用中の論理ボリュームを異なる規格のディスクアレイに移行する際に必要な設定変更がオンラインで行える「ダイナミックLUN/RAIDマイグレーション機能」や、1クリックで利用できるシン・プロビジョニング機能を搭載し、従来からのEVAの特徴である運用管理性をさらに向上させたという。
また、これまでに世界で10万台を販売したというEVAのスケールメリットを生かし、P6300 EVAは従来製品(EVA4400)に比べて価格を30%下げたという。
日本HPは現在30〜40社ほどのパートナー企業を今後2倍に増やすと発表。同社はパートナー戦略を通じ、P6000 EVAファミリを年間IT投資が500万円程度の中堅・中小企業に向けて幅広く販売していく。
最小構成価格は、P6300 EVAが310万円、P6500 EVAが670万円(いずれも税別)。
X9000 Network Storage Systemsファミリの機能強化モデルでは、「HP X9320 Network Storage System」を新発売する。クラウドサービスの基盤などでの使用を想定している。最小構成価格は1150万円(税別)。
同製品はストレージ容量を14.4/24/48テラバイトから選択でき、ユーザーは少ない投資額からでも利用できるようになった。またハードウェアのプラットフォームを刷新し、性能を従来比で約50%向上させたとしている。ストレージの使用状況が一目で分かるというモニタリング機能も備え、管理性を向上させた。
同社は、ストレージ製品群のブランド名を従来の「HP StorageWorks」から「HP Storage」に刷新した。これに併せ、ストレージ事業を扱う事業部名も「HPストレージ事業本部」へと改称している。
また、登壇した日本HPエンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部の飯尾光國事業本部長は、「NAS、SAN、バックアップ、重複排除などの機能を、共通ストレージの上でソフトとして提供する」という「Store360」戦略を明かした。アプリケーションとしてマルチプロトコル環境を提供することで、ユーザーは必要に応じた投資を行えるとしている。
Store360の提供開始日や中身などは明かされなかったものの、「ハード単位でマルチプロトコル環境を提供している他のベンダーと比べ、柔軟性などの面で優位性がある」(飯尾氏)とし、中堅・中小企業から大企業までの幅広いニーズに対応する製品戦略であるとした。
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