Apple、米環境基準EPEATの認定をMacBook Proなど39製品で取り下げ
Appleが、MacBook Proなどで取得していたリサイクルのしやすさなどを評価する米国の環境基準EPEATの認定を返上した。
米Appleが米国の環境基準EPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)の認定を取り下げ、今後の製品で認定を申請しないと申し出た。EPEATが6月29日(現地時間)に発表した。この件を報道した米Wall Street Journalによると、MacBook ProやMacBook Airを含む39の製品の認定が取り下げられたという。EPEAT内で検索しても、Apple製品は表示されなかった。
EPEATは、PCやディスプレイを環境の側面から評価・格付けする制度で、IEEE 1680の任意評価基準に基づいて、3段階に格付けする。Appleの製品の多くはこの格付けで基準の75%以上を満たすゴールド認定を受けていた。
Appleはこの取り下げについて何も発表していないが、Apple製品の分解マニュアルで定評のある米iFixitは7月6日付のブログで、Appleが6月に発表した「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」が無関係ではないと指摘する。
iFixitはこの製品を分解した結果、“最も修理しにくい製品”という評価を下した。バッテリーが接着剤で貼り付けられており、簡単には取り外せない他、ディスプレイに部品が組み込まれているという。EPEATでは、製品が使用済みになった際、リサイクルしやすいよう設計することが評価基準の1つになっている。「最も基本的な環境基準の認定を取り下げるというAppleの決断は、同社がコストが掛かっても環境よりデザインを優先させる姿勢を示している」とiFixit。
米連邦政府機関で使用する物資の調達や不動産管理などを統括する米一般調達局(GSA)では、政府機関が購入するIT関連製品の95%以上をEPEAT認定製品にすることを義務付けている。WSJによると、米Fordや米HSBCといった大企業、大学などの教育機関でも、製品採用の際、EPEAT認定を重視しているという。
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