Greenpeace、クラウド大手の“クリーンエネルギー度”を採点――Appleが最低に
環境保護団体のグリーンピースは、データセンターの電力消費に関する「How Dirty is Your Data?」調査で、Yahoo!とGoogleの取り組みを評価し、Appleが石炭由来のエネルギーを大量消費すると指摘した。
環境保護団体Greenpeace Internationalは4月21日(現地時間)、クラウドサービス提供大手10社のデータセンターにおける電力消費に関する調査結果「How Dirty is Your Data?(あなたのデータはどのくらい汚れている?)」を発表した。36ページにわたる報告書がPDFで公開されている。
この調査は、Greenpeaceが独自の基準で、各社がデータセンターで利用している電力に占める“クリーンエネルギー”(太陽光エネルギーや風力発電による再生可能エネルギー)および“汚いエネルギー”(石炭・原子力などに由来するエネルギーをGreenpeaceはこう呼ぶ)の割合、省電力への取り組み、エネルギーに関する情報の透明性などを評価したものだ。クリーンエネルギーの利用比率では米Yahoo!と米Googleが相対的に高く、米Appleが最低となっている。
Greenpeaceは、「Yahoo!とGoogleは再生可能エネルギーの重要性を理解しているようだ。Yahoo!は再生可能エネルギーを供給する発電施設の近くにデータセンターを建設し、Googleは自社データセンター向けにクリーンエネルギーを購入している」と両社を評価し、一方Appleに関しては「この春スタートする予定のノースカロライナ州のデータセンターは100メガワット規模の電力を消費するが、この地域の電力供給の95%は石炭や原子力といった汚いエネルギーだ」と指摘する。
この調査で使っているGreenpeaceの独自指標「Clean Energy Index」は、各社がGreenpeaceに提出した情報、データセンターへの投資に関する各社およびメディアによる発表、設置地域の電力供給状況、PUE値などのデータを基に、各データセンターの電力需要(メガワット)とそれに占める再生可能エネルギー比率を割り出したものという。透明性評価は、企業が公開している情報の詳しさを審査したものというが、クラウド提供企業は一般に、顧客のデータの安全性に配慮してデータセンターに関する情報を公開しないものだ。
Greenpeaceによると、データセンターで消費する電力量は全世界の電力消費の1.5〜2%を占めており、年12%の割合で増加しているという。
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