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ビッグデータ分析に生き残りを賭けるOracleカスタマーOracle OpenWorld San Francisco 2013 Report(2/2 ページ)

2日目を迎えたOracle OpenWorld San Francisco 2013では、午前の基調講演にOracleのプレジデント、マーク・ハード氏が登場、激しさが増す競争をビッグデータ分析で勝ち抜こうとしているAirbus、ソフトバンク、ニューヨーク証券取引所らの事例を紹介した。

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ビデオで登場、Oracleテクノロジーの活用を紹介したソフトバンクの孫CEO

 やはりビデオでの登場となったソフトバンクの孫正義CEOは、Oracleテクノロジーを課金や顧客サポートなどの基幹業務に活用しているほか、ビッグデータ分析によって顧客の利用状況や回線の状況をリアルタイムでつかみ、つながりやすさの改善に役立てていることを紹介した。

 米Sprintの買収によって米国での事業展開を本格化させた孫氏は、「クラウドは人類の資産、英知を支える存在になる。Oracleのテクノロジーを将来生まれてくるだろうサービスにも活用していきたい」と話す。

激しい市場間競争に晒されるニューヨーク証券取引所

 通信業界と同様、証券業界もテクノロジーの激しい変化の波に揉まれている。18世紀末に設立されたニューヨーク証券取引所(NYSE)も厳しさが増す市場間競争を勝ち抜くべく、2006年に株式公開、2007年にはパリ証券取引所やアムステルダム証券取引所、ブリュッセル証券取引所などを所有するEuronextと合併した。


NYSE EuronextのニエデラウアーCEO(左)とOracleのハード氏

 NYSE Euronextのダンカン・ニエデラウアーCEOは、西海岸のテクノロジーカンファレンスには似つかわしくない、かっちりとしたスーツにネクタイで登場し、「前任者が決めたEuronextとの合併がわたしの最初の仕事だった。米仏の友好的な合併の例はなく、先ずは厳しい競争を生き残ることから始めた」と振り返る。

 200年以上の歴史を誇る伝統的な証券取引所だが、現在のビジネスはまさにテクノロジーなしでは1日も回らない。毎日、20億株を超える出来高があり、2テラバイトのデータが生み出されていく。

 「さらにマイクロ秒の超高速処理と無停止が求められ、市場間の競争も激しさを増している。その要件は一般の事業会社よりも厳しく、この5〜6年でNYSE Euronextは、ITベンダーが理想として描くようなテクノロジーの活用を進めてきた。ほかのユーザーの手本にもなるだろう」とニエデラウアー氏は話す。

 もちろん、IT予算を無尽蔵に確保できるわけではないので、点在していたデータセンターをOracleテクノロジーで統合し、約30%のコスト削減も図ってきたという。

 昨年末、インターコンチネンタル取引所(ICE)によるNYSE Euronext買収が発表されたのも記憶に新しい。ジョージア州アトランタでエネルギーを中心とした先物市場を運営するICEは、規模ではNYSE Euronextに及ばない。まさに小が大をのむ買収劇が、テクノロジーによって主導されている市場間競争の激しさを物語っている。

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