日立、ミッドレンジ向けストレージ5製品を発表 ハイエンドと同等の運用性
日立がミッドレンジ向けストレージプラットフォーム製品をリニューアル。ミッドレンジ向けながら、ハイエンドモデルに搭載されている仮想化技術を使えるほか、アクセスが集中しているデータをフラッシュストレージへ自動で再配置する機能を備えた。
日立製作所は4月28日、ミッドレンジ向けのストレージプラットフォーム5製品を発表した。ラインアップは「Hitachi Virtual Storage Platform G800(以下、VSP G800)」「VSP G600」「VSP G400」「VSP G200」「VSP G100」で、同日より全世界で発売する(VSP G800のみ2015年8月17日に発売)。
今回の新製品群は、同社が2014年に発表したストレージプラットフォーム「VSP G1000」の下位に位置付けられるミッドレンジ向けモデル。VSP G1000と同じく、ストレージ基本ソフトウェア「Hitachi Storage Virtualization Operating System(SVOS)」を搭載しており、新ストレージ装置への移行時に既存ストレージ装置と新ストレージ装置を仮想的に1台のストレージ装置として扱える「Hitachi Universal Volume Manager」など、ハイエンドモデルと同等の仮想化技術を使えるのが特長だ。新製品を含め、シリーズ全体のOSを統一したことで、上位機種へのアップグレードも楽に行えるようになった。
このほか、拠点をまたがってシステムを二重化している環境下で、正副のストレージ装置を仮想的に1台のストレージ装置として扱える技術「global storage virtualization」も備える。サーバ群から正副両方のストレージ装置に格納されたデータへアクセスできるほか、仮想サーバを正副のシステム間で移動可能だ。これにより、サーバの負荷を分散し、業務継続性を重視した災害対策環境を構築できるとしている。
また、同社のミッドレンジモデルで初めて、アクセスが集中しているデータをフラッシュストレージ(SSDやフラッシュモジュール「Hitachi Accelerated Flash」など)へ即座に移動できる技術「active flash」を搭載。アクセス頻度の増加を検知すると、データを自動でフラッシュストレージに再配置し、レスポンス性能を改善する。そのため、フラッシュストレージを増設するようなケースでも、データの選別や増加傾向の予測、データ移動の動作検証といった事前のシステム設計にかかる工数が減るため、DB再設計などの作業時間を大幅に短縮できるという。
製品価格(税別)は、最廉価モデルのVSP G100(システム物理容量:約864Gバイト)が165万6000円から、SVOSが15万円から、ストレージ階層仮想化機能の「Hitachi Command Suite Data Mobility」が40万円から、ストレージ稼働管理機能の「Hitachi Performance Analytics」が14万8000円から。
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