ビッグデータ活用、一般企業に拡大へ――IDC調査
IDCは、国内ビッグデータソフトウェア市場が中期的に高い成長を遂げると予測。競争力強化に向けたデータ活用やIoT、デジタルエコノミーの普及拡大が成長を後押しするとみる。
IT専門調査会社 IDC Japanが、国内ビッグデータソフトウェア市場の現状分析と今後を予測する調査リポートを発表した。
2014年国内ビッグデータソフトウェア市場の規模は、前年比成長率39.3%の110億9100万円。大企業によるビッグデータ活用の活発化と、それに伴う商用アプリケーションの採用が成長を支えており、IDCは今後のIoTの普及やデジタルエコノミーの拡大により、2014年〜2019年の年間平均成長率33.5%で推移すると予測。2019年に市場規模は470億6100万円に達するとみている。
IDCではビッグデータソフトウェア市場を、Data Organization & Management、Analytics & Discovery、Decision Support & Automation Applicationsの3つの市場セグメントに分類し、市場規模の調査を実施。これによると、2014年の国内ビッグデータテクノロジー市場別規模は、Data Organization & Managementが57億5000万円(前年比成長率40.5%)、Analytics & Discoveryが33億2200万円(同43.5%)、Decision Support & Automation Applicationsが20億1800万円(同30.0%)となった。
調査によると、ビッグデータテクノロジーの採用企業は、テクノロジーに明るいネット系企業などから一般企業へと拡大しており、従来のオープンソースソフトウェア中心のインテグレーションから商用ソフトウェアやクラウドサービスでの採用が増加。また、企業の競争力強化のためのデータ活用の拡大やIoT(Internet of Things)の普及、デジタルエコノミーの拡大によるデータソースの増大などを背景に、市場は中期的に高い成長を遂げると予測している。
IDCは、同リポートの結果を受け、国内ビッグデータソフトウェア市場は、今後IoTを含むインターネット上のデータソースの増大により、パブリッククラウドでの活用に比重を高めていくとしている。その上で、関連ソフトウェアを提供する事業者には、よりパブリッククラウドを中心に据えたソリューション提供が求められるようになると指摘している。
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