阿波おどりの場所、IoTでリアルタイム発信へ Beaconを活用:今、ここで踊ってます
徳島市名物の阿波おどりがIoTで進化。おどりのグループ「連」の位置がリアルタイムで分かるという。
阿波おどりのグループ「連」の位置がリアルタイムで分かる――。GTラボが、IoT技術を利用した観光サービスの提供を開始した。
このサービスは、AppleのiBeacon、GoogleのEddystoneとスマートフォン向けアプリの連携で実現。連の位置をリアルタイムで発信するというアイデアは、2015年5月の「阿波おどりアイデアソン」で最優秀となったもので、シビックテック団体Code for Tokushimaがこのアイデアをベースに開発し、徳島市阿波おどりで提供されることになった。
阿波おどりの期間中は、街に点在する演舞場に連が移動し、踊りを披露。それぞれの連には特徴があり、特定の連を追いかける根強いファンも少なくないという。この連の位置をリアルタイムで把握するために、AppleのiBeaconと、Googleのオープンソースのビーコン規格Eddystoneを活用。Open Beacon Field Trial(日本Androidの会)と芳和システムデザインの協力で、50台超のビーコン機器「BLEAD」を演舞場と輪踊りスポットに設置する。これにより、アプリの利用者が近づくと連の情報がプッシュ配信されるようになる。
iBeacon受信専用アプリには、GTラボの「びこり!」を採用。びこり!は、新規アプリの開発不要でiBeaconと既存のWebサイトを連動させられるビーコンプラットフォーム。アプリ内の「イベント」で「一般用」と「連用」を切り替えられ、前者では場所と連動したコンテンツの閲覧、後者では位置の送信を行える。
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