第6回 今年と来年の「年末調整」をどうするか:税理士目線で提案する「中小企業のマイナンバー対策」(2/3 ページ)
中小企業のマイナンバー対応は「士業への委託と連携+できるだけ持たないを考えた実務」がキモになる。6回目は「源泉徴収税(年末調整)業務」が、今年(2015年)と来年(2016年)でどう変わるか、何を留意するかを解説する。
「来年の年末調整前」にマイナンバーの取り扱いが必要となるのは?
続いて来年(2016年)の年末調整までに、マイナンバーの取り扱いが必要となるケースはどうでしょう。以下のようなケースがあります。
(1)2016年1月以降に従業員が入社した
新たに従業員が入社する場合、当該従業員から本人および扶養親族のマイナンバーを取得する必要があります。2015年に行う現従業員のマイナンバーの収集のための方法と同様に、利用目的を明示し、本人確認を行った上でマイナンバーを取得することになります。2016年1月以降の本人確認では、個人の申請で交付される「個人番号カード」(マイナンバー通知カード=全員へ配布されるもの/個人番号カード=2016年1月以降、各個人の申請で交付される顔写真付きカード 詳細の説明はこちらから)を当該従業員が持っていれば、これ1枚で番号確認と身元確認を済ますことができます。
(2)従業員の退職時に「退職所得の源泉徴収票」を作成、提出する
2016年1月以降、従業員が退職し、退職金などの支払いがある場合は、企業は退職日から1カ月以内に「退職所得の源泉徴収票」を作成し、提出することになります。2016年1月1日以降に使う「退職所得の源泉徴収票」には、従業員本人の個人番号欄が設けられますので、退職する従業員のマイナンバーを記載し、本人に交付することになります。役員の退職の場合は税務署への提出も必要となります。
また、退職時までの給与所得についても平成28年分の「給与所得の源泉徴収票」を作成し、本人に交付することになります。こちらも、原則退職する従業員のマイナンバーを記載して作成することになります(本人交付の源泉徴収票の取り扱いについては次項で解説します)。
源泉所得税業務に限定すると以上の通りですが、このほかに従業員の入退社にともない、社会保険関連で作成する書類でもマイナンバーが必要なケースがあります。入退社の都度、マイナンバーを取り扱うことになるということです。
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