第3回 ワークスタイル変革の実践に必要な「4つの要素」:小林伸睦の「成功に導く“ワークスタイル変革”現場論」(1/2 ページ)
今、企業や組織に「ワークスタイル変革」が求められています。では、それを実際にどのように進めていけばよいのでしょう。今回はその前提となるワークスタイル変革を進めるうえでの基本的な考え方を整理します。
ワークスタイル変革の基本構造:時間と場所にとらわれない働き方を実現するために
現在、私たちは時間と場所に依存したパラダイムの中で働いています。そして、ワークスタイル変革によって、働く時間や場所にとらわれない働き方が可能になります。
変革のプロセスでは、その環境を支えるために必要な様々な要素を洗い出し、必要に応じて新しく策定、または置き換えていくという作業に取りかかることになります。その結果、実現された場所や時間にとらわれない働き方ができる環境では、現場と経営のリアルタイムな情報共有や意思決定、従業員の作業効率や生産性の向上、ビジネスの継続維持、在宅勤務やモバイルワークによる従業員や職員のワークライフバランスの実現など、企業や組織の競争力の強化につながる環境が実現されていきます。
では、働く時間と場所にとらわれない働き方を実現するためのプロセスで、やらなければいけないことは何でしょうか。IT部門の方やテクノロジーに精通した読者の皆様は知識がいくらかあるがゆえ、IT環境やツールの導入をまず思い浮かべてしまうかもしれません。しかしながらそれと同じくらい重要なことが人が働き方を変えるためのソフト的な側面です。例えば、制度やルール、カルチャーを変えていくということです。そこで、ワークスタイル変革のために必要な基本的な考え方や、変えていかなければならない要素について、整理していこうと思います。
写真:(c)2015 Citrix Systems,Inc. All right reserved.
経営層の継続的関与と目的の共有
ワークスタイル変革は企業や組織が今後の変化を見据え、成長するための重要な戦略として位置付けられるべきものです。そして、この変革を力強く推進し、実践していくためにはその企業の理念、ミッション、計画などの関係性のなかでその意義が明確にされていることが大切です。
企業、組織、従業員や職員、経営者にとって有用な変革を目指すわけですから、働くという観点においてのルールや制度、働き方に対する価値観や企業や組織のカルチャーを見直すことも、ワークスタイル変革において重要な要素となります。これには多くの組織の意向をふまえて様々な合意や協業が必要になってきます。この組織横断的なプロジェクトを遂行するためにも、経営層の関与のもと、経営上のチャレンジと結び付けられた目的を組織全体で共有してタスクが遂行されることが重要です。
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