AI社会に“働かざるもの食うべからず”は非常識?:ホリエモンが吠える(1/2 ページ)
AIやロボットは私たちの働き方を、生活をどう変えるのか。堀江貴文氏(実業家)、林要氏(ロボット開発者)、中野信子氏(脳科学者)が語る近未来の姿とは……?
私の仕事は近い将来、AIに取って代われるのだろうか――。いま、「AIが私たちの働き方をどう変えるのか」というテーマに世の中の関心が高まっている。その理由は、フィクションの世界で起こっていたことが現実社会で起こりはじめ、多くの人が変化の予兆を感じ取っているからだろう。
こうした変化を、第一線で活躍する有識者はどう感じているのか――。2015年9月7日と8日に開催されたウェアラブル・テクノロジーに関するカンファレンス「Wearable Tech Expo in Tokyo 2015 featuring IoT &VR」で実業家の堀江貴文氏、ロボット開発者の林要氏、脳科学者の中野信子氏、ITジャーナリストの湯川鶴章氏(モデレーター)がAIやロボットをテーマに対談を行い、それぞれの考えを語った。
ロボットが働き、人間は遊んで暮らす社会
AIが人間を超えて、人間の仕事を全て機械に任せられる時代は、もう、そこまで来ている――。そう話すのは堀江氏だ。
「10年前(2005年)、旅行でバンコクにいったのですが、当時は自動ドアがなく、その代わりにドアマンがいました。理由は人の方が安いからです。日本でも、まだ単純作業の仕事が多くありますが、それを機械に代行させないのは人の方がまだ安いからという理由だけなんです」(堀江氏)
今後、多くの仕事がAIに奪われるといわれており、仕事を失うかもしれないという懸念からAIに対する否定的な意見も少なくない。林氏は、こうした懸念について、パラダイムシフトが起こるときにはつきものだと説明する。
「いま世の中で起こっているこうした議論は、自分たちが世界の中心だと思っていたのに、新しいプレイヤーによってそれが変わってしまうことを恐れているだけに過ぎません。天動説から地動説に変わる瞬間みたいな話ですね。しかし、AIやロボットは人間の敵ではありません。私たちはグローバル化するにあたって黒人の方、白人の方と一緒にシナジーを生んできたという歴史があるわけですけど、それと同じように、そこにもう1プレイヤー増えるということなのだと思っています」(林氏)
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