第5回 情報管理ポリシーとオペレーション・カルチャーの改革:小林伸睦の「成功に導く“ワークスタイル変革”現場論」(1/2 ページ)
今、企業や組織に「ワークスタイル変革」が求められています。では、それを実際にどのように進めていけばよいのでしょう。今回はワークスタイル変革を推進するために必要な4つのポイントから、2つ目の「情報管理の在り方」と3つ目の「オペレーション・カルチャー」について考えていきます。
前回、ワークスタイル変革を推進していく上で重要な「4つのポイント」を挙げました。
今回はこのうち、「情報管理のあり方」と「企業や組織内におけるオペレーションカルチャー」について考えていきましょう。
情報管理におけるリスクの洗い出し
業務で扱う情報の多くは電子化され、社内に設置、管理されているデバイスからこれらの情報にアクセスしていることでしょう。この前提だとセキュリティの境界は物理的な部屋や建物にあると言えます。ただ、これからはネットワークを通じて部外や社外からもこれら情報にアクセスできるようになっていきます。そのため、ネットワーク、エンドポイントデバイス(ユーザが利用するデバイス)、周辺機器などを経由した情報の漏えいリスクも大きくなります。
そこで、ワークスタイル変革とともに、これらのポイントを中心にして従来の情報管理のセキュリティポリシーを新しいものに進化させる必要があります。例えば、外部ネットワークから社内ネットワークに接続する際には、より堅牢な認証の仕組みがあるべきでしょう。また、誰でも社外で社内情報を簡単にプリントアウトできるようではいけません。モバイルデバイスを活用していく場合には、デバイスの内部に会社管理のセキュアな領域を構成することができますが、この場合はデバイスの内部にセキュリティの境界ができることになります。こういった新たな環境を前提とした上で機密情報を守るポリシーを考えていくことになります。
まずは新たな働く環境や業務シーンで、誰が、どこから、どんなデバイスを使って、どんな情報にアクセスするのか整理し、その上で、どんなリスクがどこに存在するのか整理しましょう。そして、このリスクに対する適切なテクノロジーの選択や運用における制限について検討していくことになります。
関連記事
- <おすすめページ>「ワークスタイル変革」最新事情インデックス
- 企業のワークスタイル変革の支援に注力、シトリックスの2012年事業戦略
シトリックスは、デスクトップ仮想化とクラウド環境の利用拡大に向けた戦略を展開すると発表した。 - Citrixが見せた、IoTアプリと“近未来の会議”
Citrixが年次カンファレンス「Citrix Synergy 2015」を米国フロリダ州オーランドでスタート。基調講演では、XenAppへのコミットや新製品「Workspace Cloud」の開発背景が語られたほか、IoTプラットフォームを使った“近未来の会議”のデモが行われた。 - 理想の“ワークスペース”を作り上げるのに不可欠なものは?
Citrixは年次カンファレンス「Citrix Synergy 2014」を米国・カリフォルニア州アナハイムで開幕。同社が提唱する「Mobile」や「Workspace」のビジョンがより鮮明に打ち出された。 - IoT戦略の“次の一手”は? Citrixのトップに聞く
XenAppへの再フォーカスとIoTへの注力――。Citrixが年次カンファレンス「Citrix Synergy 2015」で打ち出したテーマは“古さ”と“新しさ”の両者を兼ねていた。今後同社はどのような戦略で製品を展開するのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.