オラクル、SaaS「Oracle ERP Cloud」に新機能 適用業務領域を拡充:Oracle OpenWorld 2015 Report
クラウドERP製品「Oracle ERP Cloud」へ190以上の新機能が追加。適用業務領域も拡張する
米Oracleが10月26日(現地時間)、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2015」で、クラウド対応の基幹業務システム「Oracle ERP Cloud」の機能拡張を発表した。
Oracle ERP Cloudは、統合基幹業務システム(ERP:Enterprise Resource Planning)をクラウドで提供するソリューション。今回、新たに190以上の新機能を追加するとともに、導入企業の拡大を図るべく、業界個別の要件をカバーする機能も拡充した。
例えばOracle ERP Cloudの1種として金融業界に特化した「Oracle Financials Cloud」は送金や支払の計画とバランスを改善し、短期流動性を管理する機能や、セキュアに財務リポートを共有できる「Finanial Reporting Center」機能を中心に、組み込み型のBI(ビジネスインテリジェンス)機能を備えた。
製造業や小売業へ向けた「Oracle Procurement Cloud」は、支払先との協業体制の強化を図れる「直接材料発注」機能を備える。これまでの間接材料発注機能に加え、直接材料への対応によって、構成部品や仕入先直送、連続発注といった製造プロセスや物流プロセスを網羅して管理できるとする。クラウドとオンプレミスの両方のソリューションとの統合の範囲も拡張した。
このほか、業務部門が実施する詳細リポート作成支援などのためのセルフサービスBI(Business Intelligence)機能も組み込んだ「Oracle Project Portfolio Management(PPM)Cloud」、サプライチェーンを展開する企業向けの「Oracle Supply Chain Management(SCM)Cloud」もラインアップに加える。
関連記事
- 日本オラクルがERPの新版公開、オンラインパッチ機能を追加
「E-Business Suite」最新版では財務会計や購買管理、サプライチェーンや人材管理分野において数百以上の業務機能が強化されている。 - クラウド事業好調、「SAPは“どうでもよくなった"」 ラリー・エリソンCTO
IT企業のカンファレンスで世界有数の規模を誇る「Oracle OpenWorld」が今年もサンフランシスコで開幕した。マーク・ハードCEO、ラリー・エリソン会長兼CTOがオープニング基調講演にさっそく登場した。 - 相次ぐ「クラウドERP日本上陸」の意味
基幹業務アプリケーションを手掛ける米国の有力ソフトウェアベンダー2社が先週(2015年1月第3週)、相次いでクラウドERPを「日本市場で本格展開」すると発表した。この動きは何を意味するのか。 - オラクル、「Oracle Database 12c Release 2」のベータ版を発表
オラクルがデータベース製品の最新版「Oracle Database 12c Release 2」のベータ版を発表。クラウド展開の俊敏性と拡張性を向上させる、数百に渡る新たな機能を盛りこむようだ。 - オラクルが示す「儲けるクラウド」の根拠
日本オラクルが先週、クラウドプラットフォームの新サービスを発表した。AWSと真っ向から戦うのか? クラウドサービスで“儲ける算段”はついているのか? 同社首脳陣にズバリ聞いてみた。 - オラクル、“日本版”PaaS開始 国内DCも年内設置へ
日本オラクルがPaaS「Oracle Cloud Platform」を日本でも“満を持して”投入する。合わせて、国内データセンターの年内に設置する計画も明らかにした。 - 日本オラクル、クラウド推進の「POCO」戦略を発表
2016事業年度はクラウド市場での同社の立場を強化する「POCO」(ポコ)戦略を推進する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.