「Office 365」を激変させる3つのポイント(前編)(2/2 ページ)
クラウド化したOfficeが今、大きく変わろうとしている。WordやExcel、PowerPointといったおなじみのツールが、他のツールと連携することで、これまでとは異なる価値を生むものになっているのだ。新たな機能は業務現場とIT部門の運用管理にどんな変化をもたらすのか。
詳細を話して確認したいと思ったら、ファイル上に並ぶ共同作業者の一覧から相手を選んでクリックすれば、Skype for Businessが起動する。プレゼンスを確認して通話ボタンを押せば、すぐ話し始められる。
「いちいち番号を調べたり、不在の相手に電話をかけたり、といったことがなくなります。関係者の一覧がファイル上に表示されるので、電話もすぐかけられますし、そこからメンバーを追加してWeb会議を開くこともできます。コミュニケーションの履歴は保存され、コンプライアンスに違反するやりとりや、怪しいデータは排除できる。これもSkypeの大きな価値だと思います」(越川氏)
E5ではSkype for Businessで「Cloud PBX」と呼ばれる機能を標準で利用できる。これは、IP-PBX機能をOffice 365上のクラウドサービスとして使えるようにするもので、内線電話用構内PBXのリプレース時の候補になり得るだろう。
3月には電話会議サービスがスタートし、定額の電話会議サービスをSkype for Businessの中で利用できるようになる。ネットに接続したPCを持っていないスタッフでも、電話があればSkype for Businessの会議に参加できるため、音声会議のハードルが下がるという。
一方、海外市場では旧来の公衆電話回線を取り込んだPSTN通話の機能がE5で提供されているが、この日本市場での提供開始時期は未定となっている。
相次ぐセキュリティの脅威にクラウド側で対応
企業がオンプレミスからクラウドへ移行する際の懸念材料として挙げられてきた、“クラウドサービスは危険”という議論にも、変化の兆しがあると越川氏は話す。
新たなセキュリティの脅威が次々と現れる昨今、自社でセキュリティ対策を講じるよりも、技術面、物理面の両面でデータセンターレベルのセキュリティ対策が実施されているクラウド上に保管したほうが、むしろ「安全」という認識を持つ企業も出てきているためだ。
Office 365では、E3、E5の両プランで、Exchange Online、SharePoint Online、OneDrive for Businessといった環境でのデータ損失防止(DLP)機能、データ暗号化機能が利用できる。またE5では、デジタル監査を行うための「Advanced eDiscovery」、サンドボックスを利用した脅威検知機能である「Advanced Threat Protection(ATP)」のほか、「Customer LockBox」と呼ばれるデータアクセスの制御機能も標準で実装している。
「ATPは、企業の方々の関心が高い機能の1つ。危険そうな添付データやURLがあったら、マイクロソフト側でサンドボックスを使って問題があるかどうか実行して確認するんです。少しでも問題があったらシステムの責任者に通知して、メールを届けるか、添付ファイルだけ取り除くか、などの提案をします。マルウェアと認定されていないものでも、クラウド側でブロックできるわけです」(越川氏)
「Customer LockBox」は、マイクロソフトのエンジニアがメンテナンスなどのために、顧客企業のOffice 365環境にアクセスする場合、その承認プロセスに顧客側の確認を追加できるものだ。これはブラックボックスで運用される部分が多いクラウドサービスの「透明性」をより高めるための機能。こうした機能の追加は、業務の性質などからクラウド化が難しかった企業、部門での導入のハードルを下げるものになるはずだ。
後編では、今、企業からの注目が集まっている「ビジネスインテリジェンス(BI)」分野の新機能を紹介する。
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